みなさんは、百人一首を知っていますか?
カルタ大会が開催される学校も多いようですので、知っている人も多いことでしょう。
百人一首とは、飛鳥時代から鎌倉時代までにわたる100名の歌人の歌をまとめたものです。江戸時代にはカルタになり、現代まで受け継がれてきました。
坊主めくりならやったことがあるという人もいるかな?
絶対無理だと思った宿題
その百人一首。
高校1年の冬休みに、百首を全部暗記するという宿題が出ました。
え~~~~っ!!! 無理!!!
そんな絶叫が教室を包みました。
(ちなみに女子高だったので、きゃぴきゃぴした絶叫でした)
もちろん私も、「そんなの無理」と、半ばあきらめ気味に取り組んだのです。
しかし、恋や自然や人生について歌った、今も昔も変わらぬ人の気持ちに触れるのは楽しく、冬休みが終わるころには、無理なく暗記することができました。
百人一首を全部暗記したところ、私にちょっとした変化が起きました。
いや、正確には、ちょっとした、どころじゃないですね。かなりの変化が起きました。
どんな変化かというと。。。
古文がわかるようになった!
それまで、古文はわかるようなわからないような……といった状況で、テストなども雰囲気で読んでいました。
何がネックかって、古典文法が全くわかりませんでした。
それが、百人一首を暗記してからというもの、古典文法がすらすら理解できるようになったんです。
そうですね、たとえば、
瀬をはやみ 岩にせかるる滝川の われても末に あはむとぞ思う
という歌。
瀬をはやみ
は、
流れが速いので、という意味です。
「を~~~み」を「~が~~~なので」と訳すことを、この歌を実例として理解できたのです。これも暗唱したからこそ。
模試などでも、「を~~~み」という文があると、すぐに~~なのでと訳すことができるようになりました。
他の古典文法に関しても全く同じで、初めて読む古文でも、ある程度の意味は把握できるようになったのです。おかげで古文の成績はぐ~~んとアップしました。
暗唱することで自分のものになる
この経験から、暗唱することで理解度がぐっと深まるのだなあと実感しました。
これは、中学の英語でも同じことが言えますね。教科書の本文を暗記すると、基本文系をするっと理解できます。
基本文系が頭に入っていれば、ほかの単語をあてはめていくだけで応用がききます。
It was difficult for him to speak English.
という文の difficult/him/speak のところを変えれば、様々な文を作れますものね。
基本文系を理解していないと、並べ替えたり、英作文の問題に対応できません。
苦手なら、まず型を覚える
型という言葉。
型にはまる、型破り、型通り、などなど、型を使った言葉もたくさんあります。
型にはまるは、あまりよいイメージではないですね。
ですが、苦手な教科はまず、型にはまるところからのスタートです。
作文も同じです。
「日本語は、常に使っているものだから、勉強しなくてもできるでしょ? 読んだり話したりができれば、書くことだって問題なくできるはず。話すように書けばいいんでしょ。」
そうおっしゃる方も多いのですが、作文も例外ではありません。
基本的な文の構造が理解できていなかったら、読み手に伝わる作文は書けません。また、支離滅裂な内容にならないために、構成を理解することも必要です。
毎回同じような書き方(構成)で練習していきますが、それは、確実に理解して自分のものにするためです。
何事も基本が大切なのです。