みなさん、こんにちは!
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。
今日は、おすすめの一冊をご紹介したいと思います。
10年ほど前に話題になった本ですが、私は、最近始めて読みました。
今年の夏休みの読書感想文は終わりましたが、来年の感想文にもオススメ!!
それがこの本、『ホームレス中学生』
低学年から中学年の子には、こちらの児童書版を全力でおすすめします。
児童書版ホームレス中学生をおすすめする理由
中学年までの子に児童書版をおすすめする理由もちゃんとありますよ。
それは、すべての漢字にルビ(ふりがな)がついていることと、辞書のように、難しい言葉には解説がついていること。
文章は、とても読みやすく、難易度が低いです。ルビがついているの、わかるでしょうか。
そして、ページの下に、このような言葉の解説が。
- かんしょく(感触)・・・ものにさわったときのかんじ
- きせき(奇跡)・・・本当におこるとは、とても思われないできごと
- むじょう(無情)・・・思いやりがないこと
まるで教科書のようで、難しい言葉が登場するたびに意味がわからなくて、読むこと事態が面倒になってしまうということがありません。
ホームレス中学生ってどんな話?
中学2年の1学期の終業式の日。
終業式を終えて家に帰ると、家には「差し押さえ」と書かれたテープが貼られ、入ることができなくなっていた。
そして、その日から始まる公園でのホームレス生活。13歳のボクは、この先、どうやって生きていくのか⁉
主人公ボクが、中2の夏休みのあいだに体験した、公園でのホームレス生活記。
それから、小5のときに亡くなったお母さんへの思いや、人の死について、綴られています。
もし自分だったら…と想像しやすい
内容としては、小2くらいからでも十分読める内容です。
しっかり理解できるのは小3くらいからかな…とも感じます。
もし自分が主人公だったら……
あたりまえのように帰る自分の家に、ある日突然、入れなくなってしまったら……
めんどうをみてくれる親が消え、行くあてがなくなってしまったら……
公園でひとり、生活をしなくてはならなくなったら……
自分がこの立場に立たされたら……実感を持って感じることができるようになるには、それなりの心の成長が必要だと思います。
他人事ではなく、自分事として考えることができると、物語の世界に入りこむこともできますし、読書がぐっと楽しくなります。
そんな、読書の楽しみを知ることができる一冊になりそうだというのも、おすすめする理由のひとつです。
余談ですが、母としては、最後のお母さんへのメッセージにじ~んと胸を打たれます。
特に結びの一文、
「いつか、ボクを見てまわりの人が、ボクではなく、お母さんのことをほめてくれるような立派な人間を目指して」
には、泣けます。こんな目標を持つ子どもに育ってくれたら、子育て大成功と言えるのではないでしょうか。
ぜひ親子で読んでもらいたい本です。