作文の書き方

作文をお家で教えるときのコツ:ちょっとした質問が役に立ちます

みなさん、こんにちは!

作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。

 

低学年のお母様から、

「学校ではちゃんとした作文の書き方を習わないので、どんなふうに書いたらよいのか、全然わからないんですよね。私が教えてあげようと思っても、なかなかできなくて……。」

というお話をいただきます。

そうですね、1~2年生では、実際にどのように書いたらよいのか、具体的な作文指導はないかもしれません。

ところが、学期末や学年末になると、クラス全員分の作文をまとめた冊子をお子さんが持ち帰り、読んでみてびっくり!

「どうしてみんなこんなに上手なの⁉」

と。教えてもらってないのに書ける子がいるのはなぜ?

うちの子は全然書けていないじゃない……と心配になるお母様も多いようです。

 

でも、大丈夫です!

ちょっとした書き方のコツを覚えれば、苦手な子でも上達します。

逆に、低学年のうちの方が、言われたことに素直に取り組んでくれるので、その分習得もスムーズだと思います。

今日は、お家で作文を見てあげるときのコツをお伝えしたいと思います。

ある日の小2男子の作文から

先日のシンクス東品川教室にて「きょうのこと」で作文を書いてくれた小2の男の子。

事前に書き方の指導をしますが、私が話したことをしっかり守って書いた作文がこちら。

とても上手に書けているので、全文ご紹介させてください。

きょう十時~十時三十五分まで、プールに行きました。プールの中はさむかったので、ブルブルふるえてしまいました。きょうプールですごくうれしかったことは、はじめて二十五メートルおよげたことです。まるで、にがてなさんすうのテストで百点をとったきもちで、うれしかったです。しかも、お父さんにも、こうほめられました。

「二十五メートルおよげてすごいなあ」

といわれたので、すごくうれしかったが、すごーくうれしかったと思うのにかわりました。つぎは、五十メートルおよぎたいなと思いました。

どうですか? すばらしい作文ではないでしょうか?

作文小2男子

 

初めて25メートルが泳げただけでもうれしいのに、お父さんに褒められたことで、

すごくうれしかった

から

すごーくうれしかった

へと、自分の気持ちが変化したことに気付いたのですね。作文に来る前にプールに行ってきたそうなのですが、1時間ほど前に起きた自分の気持ちについて、とても客観的に見つめることができています。そして、それを上手に書くことができた。素晴らしいですね。

書くことを引き出すのは対話

事前指導では、

  • 会話
  • たとえ
  • 思ったこと

の3点について、対話をしました。

この対話は、作文を書く際にとても有効です。

こう書きなさいと指示するのではなく、お子さんの頭の中にある絡まった糸をほぐしてあげる手助けをするつもりで対話を進めます。

書けるように、記憶や思ったことを引っ張り出すお手伝いをするイメージです。

たとえのイメージをふくらませる

今回の作文、彼はとても素敵なたとえを書いてくれました。

まるで、にがてなさんすうのテストで百点をとったきもち

というたとえです。このたとえをどう引き出してきたか、具体的に対話の内容をご説明しますね。

対話の際に、25メートルを泳げたときの達成感について、どのようなときに感じる達成感に似ていたか、聞いてみたのですね。

一般的に考えて、小2の子に

「どんな気持ちだったかな?」

と聞いたら、99%、うれしかったと返ってくるはずです。それでは、「うれしかったです」のひとことしか書けません。

うれしかったという気持ちをさらに深く考えてもらうために、

  • なにかプレゼントをもらったときのような気持ち?
  • 晩ごはんに好きなおかずが出たときのような気持ち?
  • テストで100点とったときのような気持ち?
  • ゲームで勝ったときのような気持ち?

というように、選択肢を与えてあげます。そうすると

テストで100点とったときのような気持ち!

と、返ってくるので、

「じゃあ、なんの教科で100点とったみたいな気持ちかな?」

とさらに聞きます。すると、

「う~ん、算数かな」

とまた教えてくれるので、

「算数は、得意? それとも苦手?」

とさらに会話を重ねます。

彼の場合は、「算数がいちばん苦手」とのこと。

その対話から、

まるで、にがてなさんすうのテストで百点をとったきもち

という上手なたとえが出てきたわけです。

うれしさの度合いを選ばせる

また、うれしかったの度合いを、

  • ちょっとうれしかった?
  • すごくうれしかった?
  • すっごーくうれしかった?

というように、具体的に副詞をえらんでもらうのです。

すると彼は、「すごく から すっごーくになった」というように、自分の気持ちが変化したことにまで気付くことができたのでした。

ご家庭で作文を書く際も対話がカギ

ご家庭で書くときも、このようなちょっとした質問を投げかけるだけで、書こうとしているものについてのイメージを広げてあげることができます。

お子さんは、大人が思う以上に、いろいろなことを観察したり考えたりしています。ただ、上手にアウトプットすることが難しいだけなのです。

自分の中にあるものを、どんなふうに表現していったらよいのかがわかれば、きっと楽しく書くことができるはずです。

なぜなら、子どもは、(あ、子どもに限らないですね)自分のことを表現したいのですから。

ご家庭で作文を書く機会があったら、ぜひ、書くことを引き出してあげてください。

「へ~~~、そんなことを考えていたんだね! すごいね!」

という雰囲気で、楽しく。くれぐれもイライラしたりダメ出ししたりはナシですよ!

 

ABOUT ME
菅野恭子
筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒。 作文指導に定評のある言葉の森にて指導に携わる。 現在、言葉の森の教材・指導法にてシンクス東品川教室・シンクス上永谷教室・シンクス阪東橋教室で作文教室開講中。 2000年2001年2002年生まれの三兄弟の母。