感想文の書き方

【感想文の書き方】スタンリーとちいさな火星人/低学年向け課題図書2019

みなさん、こんにちは。
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。

2019年の低学年向け課題図書「スタンリーと小さな火星人」で感想文の書き方を解説いたします。

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Contents

「スタンリーとちいさな火星人」で感想文を書いてみよう

課題図書は、低学年だけでも4冊あります。どれにしたらよいのか迷ってしまいますよね。

まずは、スタンリーとちいさな火星人の内容を、簡単に説明したいと思います。

「スタンリーとちいさな火星人」ってどんな本

作者は、サイモン・ジェームズというイギリス人。主人公は、スタンリーという男の子です。

お父さん、お母さん、お兄さんのウィルとともに暮らしています。

ある日、お母さんが出張にでかけるのですが……

スタンリーは、お母さんがいないあいだに、火星人になりきります。

「いいこにしててね」

そうお母さんは言ってでかけるのですが、ちょっとさみしい気分のスタンリーは、いいこにしていられなかったようです。火星人になりきるという方法で、小さな反逆に出ようとしたのかも。気持ちと行動がかみあわないようです。

さて、お母さんがいないあいだ、スタンリーはどんなことをするのでしょう?

スタンリーとちいさな火星人はこんな子におすすめ

スタンリーとちいさな火星人 感想文の書き方

スタンリーとちいさな火星人は、つぎのような子が共感しやすいかと思います。

  • ひとりで留守番をすることが多い子
  • いい子にしていなきゃいけない場面で、ついはしゃいでしまう子
  • ユニークなアイデアで人をびっくりさせたい子
  • 大人の指示に対して、必ずひとこと意見を言ってくる子

両親ともに共働きで、ひとりでの時間が多い子や、ベビーシッターなどにお世話をしてもらう子も増えてきました。ほんとうは言うこと聞きたくないなあ。ちょっとわがまま言ってみたいなあ。そんな思いを持つ子もいることでしょう。

主人公のスタンリーは、そのわがままを、火星人になりきることで敢行します。自分もやってみたいと思う子は、きっとこの本を楽しんで読めると思います。

また、スタンリーのお父さん、お兄さん、それから帰宅したお母さんまで、スタンリーのなりきり火星人に付き合ってくれるのも見もの。ちょっとしたわがままを言ったときに、

「そんなこと言うんじゃないの!」

なんて、一蹴されている子にとっては、なんともうらやましい限りだと思います。そのような、家族の姿にも興味を持つと思います。

感想文の流れ

低学年の子にとって、感想文を書くのはちょっとハードルが高いです。

親御さんが話を引き出したり、ヒントを出したりする必要があります。

書き方の流れとしては、つぎのように進めてみてください。

  1. どうしてこの本を選んだか
  2. どのような本だったか
  3. いちばん印象に残った場面はどこか
  4. それはなぜか
  5. 自分にも同じような体験がないか
  6. もし私が〇〇だったら
  7. この本を読んで~と思った

このような構成メモを準備して、まとめていくとよいでしょう。

では、それぞれ詳しく説明しますね。

どうしてこの本を選んだか&本の内容

まずは、スタンリーとちいさな火星人を読もうと思った理由について述べましょう。

  • 表紙がかわいいから
  • 火星人が出てくると思ったから
  • 図書館にあったから

など、たわいもない理由で構いません。そのあとで、スタンリーとちいさな火星人は、どのような本なのか述べましょう。

たとえば、このようなイメージです。

私がスタンリーとちいさな火星人を読んでみたいと思ったのは、表紙の絵がとてもかわいかったからです。火星人は、目がぎょろりと大きくて、おなかの丸いやせた生き物だと思っていたので、かわいい男の子の表紙が、宇宙人みたくないなと思いました。この本では、ちいさな男の子スタンリーが、火星人になったふりをします。火星人といっても本物じゃないから、かわいい男の子なんだなと思いました。

お子さんの発言に、うまく言葉を補って文を紡いであげるとよいでしょう。

いちばん印象に残った部分は

つぎに、いちばん印象に残った部分を考えてみましょう。低学年の子には、

  • いちばん心に残ったところはどこ?
  • いちばんおもしろかったのはどこ?

という問いかけの方がピンとくるでしょう。

  • スタンリーが火星人のふりをしたこと
  • スタンリーが火星人のふりをしたのにお父さんもお兄さんもお母さんもみんなだまされてあげたこと
  • スタンリーがやりたくないことを、火星人はやらないと言ったこと

などなど、いろいろな答えが出ると思います。これも、書く際に少しずつ言葉を補う必要があります。

この本を読んで、私がいちばんいいなあと思ったのは、スタンリーが火星人のふりをしたときに、お父さんもお母さんもお兄さんも、みんなだまされてあげたことです。ぜったいに火星人なんかじゃなくてスタンリーだとわかっているのにふしぎです。だから、スタンリーは、火星人のふりをして、いろいろなわがままをすることができました。

本の内容と同じような体験はないかな?

いちばん印象に残った場面のつぎは、自分自身の似た体験を書いていきます。

たとえば、手を洗いなさいと言われて「めんどうだな、やりたくないな」と思ったこと。

早く寝なさいと言われて「もっと起きていたいよ」と思ったこと。

スタンリーのように、言うことを聞きたくないこともあるでしょう。そんなときの様子を、同じ体験として書いてみるとよいでしょう。

私も、スタンリーのような気持ちになることがあります。いつまでも起きていたいときに「早く寝なさい」と言われるととてもいやだし、苦手な食べ物を残したいときもあります。いつもは、お母さんがおこると困るので、だまって言うことを聞いています。でも、ほんとうは、いやだと言ってみたいです。だから、火星人になったスタンリーが、「火星人はすきなときにねていいのだ」というのが、うらやましいと思いました。

 

このように、同じような体験に肉付けしていきます。

また、お仕事でお母さんが出張にでかけるという子も多いことでしょう。お母さんに久しぶりに会えたときのうれしさを書くのもよいですね。

もし~だったら 想像した話を入れてみる

そして次。

もし~だったら……と、想像した話を入れてみましょう。

  • もし私がスタンリーだったら
  • もし私がスタンリーのように火星人のふりをしたら

こんな想像がいくらでもわいてきそうですよね。その想像を書いてみましょう。

もし私がスタンリーのように火星人になってわがままを言ったら、私の家族はみんな、わがままを許してくれないと思います。「なにバカなこと言ってるの! いい加減にしなさい!」というお母さんの顔が目に浮かびます。

最後は全体のまとめ

最後は、全体のまとめです。スタンリーと火星人を読んで思ったことをまとめてみます。

低学年の子にとって、全体をまとめることはとても難しいですから、ひとつの場面を切り取った感想でもかまいません。

親御さんが上手に感想を膨らませてあげるとよいでしょう。

たとえば、

  • スタンリーが、少しわがままを言えてよかった
  • お母さんがいないあいだ、楽しく過ごせてよかった
  • 私もスタンリーみたいに、わがまま言うときは少し作戦を立ててみよう

などなど、いろいろな感想が出てくると思います。そこに少しづつ肉付けしていきましょう。

私は、この本を読んで、スタンリーがわがままを言えてよかったなと思いました。お母さんがいなくてさみしいときに、火星人ごっこをしなかったら、もっとさみしくなっていたと思います。お母さんがいないあいだ、スタンリーはいい子じゃなかったけれど、お母さんも許してくれると思いました。

スタンリーとちいさな火星人 感想文参考例

私がスタンリーとちいさな火星人を読んでみたいと思ったのは、表紙の絵がとてもかわいかったからです。火星人は、目がぎょろりと大きくて、おなかの丸いやせた生き物だと思っていたので、かわいい男の子の表紙が、宇宙人みたくないなと思いました。この本では、ちいさな男の子スタンリーが、火星人になったふりをします。火星人といっても本物じゃないから、かわいい男の子なんだなと思いました。

この本を読んで、私がいちばんいいなあと思ったのは、スタンリーが火星人のふりをしたときに、お父さんもお母さんもお兄さんも、みんなだまされてあげたことです。ぜったいに火星人なんかじゃなくてスタンリーだとわかっているのにふしぎです。だから、スタンリーは、火星人のふりをして、いろいろなわがままをすることができました。

私も、スタンリーのような気持ちになることがあります。いつまでも起きていたいときに「早く寝なさい」と言われるととてもいやだし、苦手な食べ物を残したいときもあります。いつもは、お母さんがおこると困るので、だまって言うことを聞いています。でも、ほんとうは、いやだと言ってみたいです。だから、火星人になったスタンリーが、「火星人はすきなときにねていいのだ」というのが、うらやましいと思いました。

もし私がスタンリーのように火星人になってわがままを言ったら、私の家族はみんな、わがままを許してくれないと思います。「なにバカなこと言ってるの! いい加減にしなさい!」というお母さんの顔が目に浮かびます。

私は、この本を読んで、スタンリーがわがままを言えてよかったなと思いました。お母さんがいなくてさみしいときに、火星人ごっこをしなかったら、もっとさみしくなっていたと思います。お母さんがいないあいだ、スタンリーはいい子じゃなかったけれど、お母さんも許してくれると思いました。

 

 

ABOUT ME
きょうこ先生
2003年より作文指導に携わる。東京(品川)横浜にて対面指導。 現在はオンラインをメインに、愛媛県松山市にて対面指導を行っている。長く続けてくださる生徒さんが多いのが自慢!(平均5〜6年。最長は13年!) 作文がスラスラ書けるようになった、国語の成績がぐ〜んと上がったという声はもちろんのこと、自分の意見が言えるようになった、コミュニケーション力が上がった、親子の会話が増えたなどの声も多くいただく。