作文がうまくなるには読書が必須?
作文が書けないのは本を読まないからだ。
そう考えていらっしゃる親御さんはとても多いです。
たしかに、すらすら上手に書ける子は、総じて読書好きです。
一方で、
「うちの子は読書好きなのに、全然書けないんです…」
と悩まれる方も決して少なくありません。
どちらの声もよく耳にしますが、
書く力を育てるには読書は欠かせない
というのが私の見解です。
なぜ読書が必要なの?
では、なぜ読書が必要かという点についてお伝えしたいと思います。
文章を書くときを考えてみてください。
自分の持つ語彙を総動員しますよね。それは、今まで蓄積してきたもの。
そして、今まで触れてきた文章の型を用いて、試行錯誤しながら書き上げていくのではないでしょうか。
この、蓄積という点。
日常の中で繰り広げられる会話やネットやテレビなどで目にする言葉も蓄積になるでしょう。しかし、読書で得られる語彙とは雲泥の差。
そもそも、会話やネットでは、話し言葉や流行語、俗語などがあふれています。話し言葉と書き言葉の区別がつかない子は、読書からのインプットが圧倒的に足りていないのです。
口達者でいくらでも話せるのに、書くとなると全くダメという子も、この傾向が強いです。
読書を通して得られる語彙や、表現、書き言葉を体感することが、書く力の基礎となることは、ご理解いただけると思います。
読書しているのに書けない場合は?
「それなら、読書しているのに書けない子がいるのはおかしいのでは?」
という声が聞こえてきそうですね。
読んでるのに書けない理由は、次の二つです。
簡単すぎる
まず一つ目の理由は、簡単すぎる本を読んでいるから。
読書なら、どんな本でもよいかというと、やはりそうではありません。
今の自分のレベルで簡単に読める本では、語彙も表現も豊かにすることはできません。
特に、今の児童書は漫画に近い内容になっていて、語彙や表現、書き言葉の習得に繋がるものではありません。
大袈裟に言っているように聞こえるかもしれませんが、これは、読んでみたらわかります。
会話のかぎかっこが8から9割を占めていますから。
特に、女子が好む恋愛ものの物語などに顕著です。
たとえば、読書が好きと言うのに、相応の書く力がない子に、どんな本を読んでいるか尋ねてみると、青い鳥文庫などの恋愛ものと答える場合が多いです。
アウトプットがない
二つ目の理由は、インプットばかりでアウトプットがないからです。
簡単な本だけでなく、比較的レベルの高い文章で書かれた多岐に渡るジャンルの本を読んでいる場合は、アウトプット不足といえます。
アウトプットする、つまり書いたり話したりするトレーニングを重ねることが足りていないのです。
ただし、この場合は、インプットした語彙や表現は蓄積されていますので、一つ目に挙げた理由の場合よりも簡単に書く力を底上げすることが可能です。
ベストセラー作家も一押し
先日、この本を読みました。
精神科医である樺沢紫苑さん『読書脳』
まさに!
と共感する部分がありましたので、ご紹介します。
本を読まない。文章も書かない。それでいて、文章力を鍛えることは不可能です。
いかがでしょうか。
実際に40冊以上の著書を書き上げてきた方の言葉、重みを感じませんか。
RTWサイクルを回そう
みな、すぐに書けるようになりたいと近道探しを始めますが、書く力をつけるためには、
読書して、文章を書いて
というサイクルを回していくのが王道です。
さらに奨励したいのが、
RTWサイクル
を回すこと。
R→reading読書
T→talk話す
W→write書く
読書したら、新しく覚えた語彙や表現などを会話に使い、日記や作文に書いてみる。
RTWサイクルを回したら、言葉の力がぐんぐん伸びることは間違いありません。