みなさん、こんにちは!
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。
夜になると秋の虫の声も聴こえてくるようになりました。
読書の秋。本を読んだりして、静かに過ごしたくなってきますね。
生徒さんの作文から:ほっこりした話
今日は、生徒さんの作文から、ちょっとほっこりしたお話を。
小3の課題に「おふろ」というテーマがあります。
小さい子にとってお風呂は、水遊びができたり、お父さんと一緒に入ってちょっとした触れ合いの時間だったり、タオルでてるてる坊主を作ったり、100まで数えて出なさいよ~と言われたり、まあ、いろんなネタがある場なのです。
また、家族で温泉に行ったことがある子は、家のお風呂にはない大きなお風呂のおもしろさを書くこともあります。
そういう意味でも、おふろの週は楽しく書けるはずなのですが……
「おふろ。。。全然書くことない」
とさみしそうに話す子がいました。
聞くと、お母さんが下の子にかかりきりで、いつもひとりで忙しなく入っているのだそう。
どうにもさみしそうなので、
「先生はね、お風呂でアイスを食べるのがとっても楽しみな時間なんだ~」
と、私の話をしました。すると
「え~、私もやってみたいな!」
と元気が出てきて、とりあえず、なにか書いてみる、ということになりました。
その数日後、彼女から作文が届きました。
読んでみると……
「先生が、お風呂でアイスを食べるのが楽しみだと言っていました。だから、私も、お母さんにアイスを買ってもらいました。買ってもらったのはパピコです。お風呂で食べるアイスは、ほんとうにおいしかったです。」
という内容でした。
ひとりのおふろが、ほんのちょっと楽しい時間になったかな? と思うと、なんだかほっとしました。
日常のルールを少し違ったものにするって、刺激があるし、楽しいですよね。
そんな楽しさを発見してもらえたかな。
生徒さんの作文から:クスッとした話
そしてもうひとつ。
こちらは、クスッとした話です。
いつもはとっても真面目な、優等生風の小6男子。
新しい学年という課題で書いたときのことです。
「PTA会長の話が長くて、立っているのがつらかった。長いだけで、なにを話しているのか、さっぱり理解できませんでした」
と書かれているではありませんか!(笑)
全くその通り!!
なーんて思って、笑わずにはいられませんでした。いつもは真面目なので、あの子がね~、そうだよね、そう毒を吐きたくなることだってあるよね、と、妙に親近感がわきました。
作文指導の魅力
日常を綴る作文は特に、その子の自然体の気持ちが表現されていて、とても愛らしいのです。
人間って、いいなあ……。そんなふうに大袈裟に感動してしまうくらい、そこには、生きてる!!! という輝きがあるんですよね。
同じテーマで書いても、ひとつとして同じ展開になることがないのが作文。
そんなところも、作文指導において、私が魅力に感じているひとつです。