みなさん、こんにちは!
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。
ちょっとした間違いが命取り
数日前のことですが、洗濯物を畳みながらテレビから流れてくるニュースを聞いていました。
すると、ん? と首をかしげてしまうようなスピーチが。
とある野党議員の方が、
「身を粉にして働きます!」
と言っていました。
こう文字にするとおかしいところなんてありません。
作文に書くなら、何ら問題ないのですが、スピーチとなると話は別です。
彼は、
「みをこなにしてはたらきます」
と言いました。何がおかしいの? と思った方は要注意ですよ。
これは、「みをこにして」が正しい読み方。
身を粉にして、という言葉は知っていても、正しい読み方まではわからなかったのかもしれません。
このように誤った言葉を勘違いして覚えてしまったことは、日常、よくあることではあります。よくあることですが、この議員さんの評価は、私の中ではぐぐ~っと下がりました。(って、もともと全然知らない人でしたが)
言葉も変化していくが
また、間違った使い方をする人の割合の方が多くなり、今はどちらの使い方も正しいとされる言葉もあるんです。
たとえば、
続柄という言葉。本来は、「つづきがら」と読みますが、いまや「ぞくがら」と読む人のほうが多数派でしょう。
辞書などにも、俗語として「ぞくがら」がのっています。
また、重複も同様に、もとは「ちょうふく」が正しい読みだったのに、「じゅうふく」と読む人が多いので、今では「じゅうふく」も市民権を得ています。
もしかしたら、身を粉にしても「みをこなにして」がOKになるかもしれません。
語彙力をつけるのは、社会人になるまでに
そうはいっても、社会に出たら、正しい日本語を操れるほうが、間違いなくスマート。
「その言葉、間違っていますよ」
と指摘されるうちが花。大人になると、それも年齢を重ねるほど、あえて指摘してくれる人はいなくなります。
なにかの機会があって、自分で気づくことがないかぎり、間違いに気づくことはありません。
というわけで、社会に出るまでに、正しい言葉を覚えるのがいちばん。
語彙力をつけるには
言葉を身に着けるには、ドリルなどで知識を詰め込む方法はあまりおすすめできません。
言葉は、実際に使ってはじめて身に着くもの。
英語などの語学もそうですよね。一生懸命勉強した英語が、生きた英語としてすぐ使えるかどうかを考えてみると納得していただけるのでは。
ドリルや読書でインプットした知識は、会話の中で使ってみたり、作文や日記に書いてみたりというアウトプットが必要。
子どもたちは、このアウトプットの経験が、どうしても少なくなりがちです。
とくに単語でも通じる会話やLINEなどが日常のコミュニケーションのメインになっている現状では、意識してアウトプットの機会を設けないと、なかなか語彙力はつきません。
いつのまにか差がつくのが国語力
国語力は生活の中で培われます。
1日1日の積み重ねが、いずれ大きな差を生んでしまいます。
そういう意味でも、作文習ったらいいのにと、思うんですよね。
作文、気になるわ……という方、お気軽にお問い合わせください。