受験対策

【お母様からいただくご相談】模試の作文がひどい

みなさん、こんにちは。

作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。

 

先日、生徒さんのお母様より、ご相談をいただきました。4月から小5になる生徒さんで、公立中高一貫校の受験を視野に入れています。

「模試の作文がひどいものなんです。どうしたらよいでしょう?」

というご相談でした。

いろいろなケースが考えられますが、私が思うことをお伝えします。

新学年でがんばりたいこと

模試で出題された作文の課題は、

「5年生になったらがんばりたいこととその理由を述べなさい。160字~200字」

というもの。

中学受験のための模試です。中学受験といったら、学習意欲のあるエリート(首都圏ではそのような意識は薄くなっているかもしれませんが)が目指すもの。ですから、がんばりたいことも、それなりの内容が求められます。

小学校の宿題で書く作文なら、どんな題材でもよいでしょう。しかし、模試の作文で「ゲームをがんばりたい」とは書けませんよね。

意欲が見られるもの、向上心が見られるものなど、大人目線で見たときに高い評価が得られるものを書くのが大前提です。

なぜひどいものになったのか

この生徒さんは、学校の教科をがんばりたいと書いていました。ひとつの教科を取り上げたわけではなく、算数、理科、音楽。それから国語。あれこれ書いたので、論点が散らばってしまったことと、なぜがんばりたいかの理由を満たしていませんでした。

がんばりたいこととその理由を書くなら、次のような構成が望ましいです。一例として考えてみてくださいね。

  1. 私が5年生になって頑張りたいことは〇〇だ。
  2. なぜなら、どうしても克服したいからだ。
  3. 4年生までは〇〇だった。
  4. だから、5年生では頑張って、6年生になるころには得意になっていたい。

たとえば、算数を頑張りたいということで書いてみるとします。

  1. 私が5年生になって頑張りたいことは、算数だ。
  2. なぜなら、どうしても克服したいからだ。
  3. 私は、教科の中でいちばん算数が苦手だ。苦手だという理由で、いつも勉強から逃げていた。次から頑張ろうと思うのに、ずるずると頑張れないまま4年生も終わってしまった。
  4. だから、5年生では気持ちを新たに頑張りたい。そして6年生になるころには、算数が得意だと自信を持って言いたい。

このような流れで書けたらよいですね。

学習面のほかにも、たとえば、クラスの係を責任もってやりたいとか、習っているスポーツなどでもよいでしょう。両親共働きなので、家事をやって親を助けたいというのもよいですね。

自分自身に負荷のかかるものといえばイメージできるでしょうか。

遊びだったら、楽しくて自ら進んでやってしまうので、負荷はかかりませんよね。

なぜ受験するのか?

この生徒さん。

よくよく話を聞いてみたら、頑張りたいことはゲームなのだそう。彼の言い分を要約するとこんな感じなのです。

勉強は嫌い。なんのために勉強しているのかわからない。頑張りたいことと言っても、ゲームで勝ちたいことしか浮かばない。

勉強で頑張ると書くのは、嘘になるから、いいことが書けなくて当然。

勉強で頑張るのも、結局は、勉強ができたらゲームできる時間が増えるからであって、勉強をやりたいからじゃない。

自分から中学受験をしたいと考える子だったら、どんな内容を書いたらよいのかを理解できるのでしょう。しかし、中学受験は親御さんの意向であってお子さんに意欲がない場合、どんな内容を書いたらよいのかさっぱりわからないのです。また、純粋な子ほど、嘘を書くことに困惑するようです。

まずは、なぜ受験をするのかを親子でしっかり話し合う必要があるのではないでしょうか。

中学受験したい! そう考えるお子さんは、多かれ少なかれ親御さんにそのような誘導をされていると思います(気を悪くされる方がいらしたら、ごめんなさい)。まっさらな状態だったら、毎日遅くまで塾通いするよりも、友達と遊んだりゲームに興じたりする方が楽しいと感じる子が多いのではないでしょうか(これも私個人の考えです)。

それでも、受験しようと思えたなら、チャレンジしてみてもよいでしょう。

将来〇〇になりたい、そのためには受験するのがいちばんだ、そう自分で納得できたら、取り組む姿勢も違ってくると思うのです。

もちろん、お子さんの将来を思い中学受験をさせたい親御さんの気持ちもよくわかります。わかりますが、自分自身で目標を見出すことができない状態のお子さんに接すると、ほかの道があるような気がしてなりません。

公立中でコツコツ勉強して、難関校を目指すのもよいと思うんですよね。

心の成熟度を上げることが先かも

いずれにしても、道に迷うことは誰でもありますね。明日には、なにかきっかけがありやる気がわくかもしれませんしね。

受験作文を書くにあたっては、文章の上手下手だけでなく、心の成熟度もかなり関係があるということです。

特に、家庭で様々なことについて親子で対話をすることが大切です。人はどう考えるのか、それについて自分はどう思うのか。特に、今の子たちは、勉強はできても、社会のことや一般常識を驚くほど知りません。

みなさん忙しくて、会話の時間もままならないのは理解しているのですが、どうしても譲れないところです。

負担に思わずに、親子の時間を楽しむつもりで習慣にしてほしいのです。

 

ABOUT ME
菅野恭子
筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒。 作文指導に定評のある言葉の森にて指導に携わる。 現在、言葉の森の教材・指導法にてシンクス東品川教室・シンクス上永谷教室・シンクス阪東橋教室で作文教室開講中。 2000年2001年2002年生まれの三兄弟の母。