作文の書き方

「まるで~みたい」の比喩(たとえ)表現の練習から生まれる3つの効果

みなさん、こんにちは!

作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスの作文クラスを担当しています。

 

秋から冬へ、季節のバトンが渡されたのかもしれません。寒いなと思う日が増えてきました。

さて、上の一文、たとえ(比喩)表現だということに気が付いたでしょうか?

今日のテーマは、たとえ。

たとえを練習することで身につく3つの効果についてお伝えします。

その3つとは、

  • 説明がうまくなる
  • 理解が難しい事柄もイメージで簡単に伝えることができる
  • コミュニケーション上手になる

では、いってみましょう。

たとえ上手は説明上手

もうやめてしまったのですが、数年前まで、趣味でベリーダンスを習っていました。

証拠写真↑(笑)

「どうしてベリーダンスの話題? 作文に関係ないじゃん!」

と思った方、ちょっとお待ちを。

ベリーダンスはじめ、ダンスなど、体を使う習い事は、自らの体感で習得していくという一面があります。

感覚的なものなので、人に伝えるのがとても難しいですよね。

ところが、レッスン中に、

「あ、そういうことか!」

と、先生の解説をすんなり理解できるときがあります。そんなときは、先生が必ず比喩(たとえ)を使って説明していると気づきました。

たとえば、

「ねえねえ、ちょっと」と後ろから呼ばれて振り返るようなイメージで

と説明された場合、首を斜めに45度の角度で曲げて、と説明されるよりもずっとわかりやすくないでしょうか?

ダンス以外にも日常の中でよく使われていますよ。

初めて包丁を使うとき、「左手は猫の手で」と教えられませんでしたか?

ピアノを弾く方は、「タマゴを軽く握るように」と教えられたと思います。(今はもう古いそうですね。私はピアノを習ったことがないのでわからないのですが)

このように、人に何かを説明するときに、比喩(たとえ)の表現を使うことで、内容がぐっと伝わりやすくなります。

特に、言語化しにくい物事についても、比喩(たとえ)のおかげで相手に伝えることが容易になります。

だから、たとえ上手は説明上手なのです。

難しいことを平易に伝えることができる

世の中には難しいことがたくさんあります(笑)

たとえば、私は、どちらかというと感覚で物事を覚えていく派。マニュアルを読むのが苦手で、使いながら覚えていくようなタイプです。

こういう人は、総じて、難しい解説を読むのが苦手。また、難しすぎる話も同様に苦手。眠気が襲ってきてしまう。だから、難しい講演などでうとうと居眠りしてしまう人が多いのではないでしょうか。

その難しい話の中に、

「たとえば、〇〇みたいなことですよ」

というたとえを挟んでもらえると、劇的にわかりやすくなったりします。それまでの眠気がどこかへ吹き飛ぶかのように。

講演上手な方は、たとえ上手な印象を受けます。

特に、専門職の方などが自分の専門外の方を相手に説明をするときに、このたとえ効果は威力を発揮します。

自分の専門のことは、よく知っているがゆえに、知らない人にとっては雲をつかむような話になってしまうのです。

難しいことを噛み砕いて説明するには、たとえを挟むのが何よりだと思います。

これは将来、社会人になったときに、間違いなく役に立ちます。

たとえ上手はコミュニケーション上手

みなさんに質問を出しましょう。

「感情を伝える言葉を挙げてみてください」

 

どうでしょうか? 思い浮かびましたか?

うれしい、楽しい、幸せ、懐かしい、ほっとする、気の毒、かなしい、落ちこむ、へこむ、尊敬する、びっくりする、感動する、愛しい。。。。

品詞まで限定していないので、いろいろ出てくると思います。

たとえば、嬉しい。

嬉しいといっても、いろいろな嬉しさがありますね。

  • 飛び上がって大はしゃぎしたくなるような嬉しさ
  • ひとりでじんわりかみしめるような嬉しさ
  • 寝る前にふと思い出し心があったまるような嬉しさ
  • 会うひとみんなに自慢したくなるような嬉しさ
  • 思わずSNSに書き込みたくなっちゃうような嬉しさ

などなど、嬉しさの形も様々。

たとえ(比喩)を使うことで、どんな嬉しさなのか、感情の中身まで伝えることができます。

感情の共有というのは、実はとても難しいと思いませんか?

嬉しいの受け取り方ひとつとっても、人それぞれイメージするものが違います。

 

たとえば、友達から、

とっても嬉しかったんだ~。なんていうかな、自分から♡がたくさん沸いて出てくるみたいな、そんな感じかな~。

なんて話を聞かされたら、ただ「嬉しかったんだ~」と言われるよりもずっと、友達の気持ちに共感してあげられますよね。「わ~、それはほんとうに嬉しかったね、よかったね!」と。

こんなコミュニケーションが取れる人は、きっと、多くの人に愛されると思うのです。

アドラー心理学では、「人間の悩みは全て対人関係の悩みである」と定義されています。

そんな悩みの原因である人間関係。良好なコミュニケーションが取れたら、その悩みも軽減されると思います。

成績には直接関わりがないように見えるたとえですが、幸せな人生を送ることを生きる目的とした場合、大いに役に立つ技術だと私は考えます。

おまけ:生徒さんの作文から

以上のように、たとえの練習は、人生において役に立つものだと言えます。

作文に入れるたとえは、勉強というよりちょっとしたなぞなぞ遊びのようなつもりで取り組んでもらえるとよいですよ。

車のハンドルには、少しの遊びが必要。遊びがないと、地面の凸凹に反応して常にハンドルが震えてしまったり、ほんの少し左右に振れただけでハンドルが切れてしまったりするそうです。

作文も同じ。ギチギチに硬いものよりも、ほんのちょっとの遊びを取り入れてみましょう。

たとえの表現は、その遊びにぴったりだと思います。

生徒さんの作文から、いくつか見本を挙げてみましょう。

こまのおともきこえました。

「ブン トン ががが……」

まるででんどうドリルであなをあけているようです。こまはぐるぐるまわっています。まるでスケートせんしゅのスピンのようです。

 

ブロックはレゴよりも小さくてうすっぺらです。とめるとぱちんというおとがします。まるでつめきりでつめをきったようです。

どうでしょうか。

子どもらしい遊び心いっぱいのたとえではないでしょうか?

たとえの練習はご家庭で、親子で取り組むことができます。

まだ未就学児のお子様なら、

「まるで〇〇みたいだね~」

という表現を意識して使ってみるだけでもOK。子どもはたとえ表現を使うのが大好きなので、できるだけ付き合ってあげるとよいと思います。

ABOUT ME
きょうこ先生
2003年より作文指導に携わる。東京(品川)横浜にて対面指導。 現在はオンラインをメインに、愛媛県松山市にて対面指導を行っている。長く続けてくださる生徒さんが多いのが自慢!(平均5〜6年。最長は13年!) 作文がスラスラ書けるようになった、国語の成績がぐ〜んと上がったという声はもちろんのこと、自分の意見が言えるようになった、コミュニケーション力が上がった、親子の会話が増えたなどの声も多くいただく。