作文の書き方

ボイスオブユース(青少年の主張)作文で「宿題が多過ぎてイヤ」と訴えたい!

みなさん、こんにちは!

作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。

昨日は、ボイスオブユース(青少年の主張)作文の書き方について解説しました。

昨日は、私のまち・学校・友達・家族(みんなに自慢できるあんなこと、こんなことなど)で書く場合について、でしたね。

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ボイスオブユースに「宿題が多過ぎるのがイヤだ!」という思いを書きたい

昨日、シンクス阪東橋の教室に来た中3の子が、

「ボイスオブユース、まだやってない!」

と言うので、

「何を書こうか決まってる?」

と聞くと、

「夏休みの宿題が多過ぎる! ってことを書きたいの」

とのこと。

う~ん、なかなか面白いテーマが来ましたよ(笑)

「いいんじゃない? じゃ、宿題が少なかったら、あ、もし宿題がなかったら、その時間でどんなことをやってみたい?」

と質問してみました。

すると、

「友達といっぱい遊びたい! それから、夏休み明けの期末テストの準備もしたい」

との返事。

 

そこまで引き出したので、簡単に書き方の説明をしておきました。

書き方の流れ

「宿題が多過ぎていやだ!」という気持ちを、「~はよいと思う、または~はよくないと思う」という是非の主題を用いて表現してみましょう。

構成はつぎのようになります。

  1. 是非の主題「宿題が多いのはよくないと思う」
  2. 理由その1
  3. 理由その2
  4. 反対意見への理解→再度是非の主題

理由その1「友達といっぱい遊びたい」を膨らましてみよう

まず、ひとつめの理由について、内容を膨らませてみましょう。

友達といっぱい遊びたいという気持ちの裏側を探ります。

  • なぜ友達といっぱい遊びたいの?
  • いつもは遊べないの?
  • なぜ遊べない?
  • なにをしていっぱい遊ぶ?
  • 遊ぶことで、どんな学びがある?
  • 遊ぶことでどんな気持ちを味わいたい?

こうやって、いろいろな方向から考えてみます。

すると、自分でも気が付かなかった思いが見えてきます。彼女の場合は、

  • 中学に入ってから、ずっと部活で、友達とゆっくり過ごす機会がなかった
  • 部活を引退したと思ったら、今度は受験勉強。友達は夏季講習など塾漬けで、なかなか都合も合わない
  • 夏休みなど、余裕のあるときこそ、友達と一緒の時間を過ごしたい
  • 同じ時間を共有したい

こんな気持ちが見えてきました。彼女は、友達とより深く気持ちや体験を共有したいようです。中学生はなにかと忙しく、細切れの時間では、そういった交流がなかなかできないのですね。

これは、立派な理由になります。実際の自分の体験談を添えて、ひとつめの理由を作りましょう。

 

理由その2 定期テストの準備に時間を割きたいを膨らまそう

彼女が挙げたもうひとつの理由は、定期テストの準備に時間を割きたいからというものでした。

彼女いわく、感想文にボイスオブユース(この作文ですね 笑)などの宿題は、時間ばかりかかるわりに、自分にとってのメリットが全くないように感じるそうです。

まあ、書くのが苦手な子にとっては、それも致し方ない感想なのかもしれません。

では、この気持ちを、説得力がある内容に膨らませてみましょう。

先ほどの友達といっぱい遊びたい裏にある気持ちを探ったように、テスト勉強に時間を割きたいと思う気持ちを見つめてみましょう。

彼女は、

  • 今は、志望校に合格するのが目標だから、少しでも内申をあげたい
  • そのためには定期テストの準備をしっかりしなくてはならない
  • 限られた時間の使い道を優先順位をつけるとしたら、定期テストにあてたい
  • 中間の結果があまりよくなかったので、気持ちが焦っている

という気持ちに気付きました。これをまとめてふたつめの理由にしていきましょう。

 

まとめの段落は、反対意見への理解と是非の主題をもう一度

最後の段落では、反対意見への理解を書いてみます。

今回のように、よいか悪いか、いずれかの立場を選ぶ場合、自分とは反対の立場をとる人がいるわけです。

目の前に反対の立場に立つ人がいると想像してみてください。

その人たちに対し、真向から反対を唱えたら、当然険悪なムードになりますよね。

相いれない意見であっても、険悪ムードを避けるコツがあるんです。

それは、反対の意見を認め寄り添うこと。

「そうだね、あなたの言い分もわかるよ」

と、理解を示してあげることなのです。

これを、「反対意見への理解」といいます。

宿題はよいと思う人も、もちろんいますよね。

宿題がないと、夏休みのあいだず~っと遊んでしまうから、という人もいるでしょう。

そういった立場の人に向けて、

「確かに、宿題があったほうがよいという意見があるのも理解できるが、」

と共感してあげます。”共感してあげる”なんていうとちょっと高飛車ですが(笑)

 

そして、そのあとで、再度是非の主題を書いてまとめます。

参考例

以上の流れに肉付けしていくと、つぎのような参考例ができました。

 

「ああ、今年も宿題いっぱい出たなあ」

私は、宿題のプリントを眺めてためいきをついた。なにをしても時間のかかる私には、宿題もささっと片づけることができない。これだけあるなら、きっと、かなりの時間がかかってしまうだろう。私は、夏休みにたくさんの宿題を出すことはよくないと思う。

その理由のひとつ目としては、学校がなく時間がたっぷりある夏休みにこそ、友達と過ごす時間を楽しみたいからだ。中学に入ってから、ずっと部活一色の毎日を過ごしてきた。授業のあとは部活、疲れて帰って寝る毎日。学校の休み時間などの細切れの時間では、友達とゆっくり話しをすることも難しい。部活を引退したと思ったら、友達は夏季講習で塾漬けの毎日になってしまい、なかなか遊ぶ都合もつかない。高校生になったら、きっと別々の高校に進み、さらに都合がつかなくなるだろう。高校では新しい友達ができて、今の友達とは、遠く離れてしまうかもしれない。だから、今しかない時間を、大好きな友達と共有したいのだ。夏休みに入って1日だけ、友達とゆっくり過ごす時間があったけれど、将来の話や夢、わくわくするようなことや、心配に思っていることなどを話せて、とてもよい時間を過ごせた。あの経験を、もっともっとしたいと思うのだ。

ふたつ目の理由としては、限りある時間を自分のやりたい勉強に充てたいからだ。私の場合、定期テストの準備に時間を割きたい。というのも中3の私たちにとって、いちばんの目標は志望校に合格することだ。だから、少しでも内申を上げておきたいと思うのも当然のことだ。それなのに、苦手なことやどうでもいい宿題に時間を使うのは、正直無駄としか思えない。限りある時間なのだから、自分で優先順位をつけたい。私はいくつものことを器用に同時進行で取り組むことが苦手だ。定期テストの準備なら定期テストの準備だけに集中したいと思うのだ。ほとんどの宿題は、ほんとうに邪魔でしかない。

確かに宿題がある方がいいという意見も理解できる。宿題があることで、勉強はしなくてはいけないという自覚ができるのだと思う。でも、私たちは、自分の将来のことは大人が思うよりもずっと考えている。合格を目標に勉強したいというのもそのいい例だ。だから、私は、夏休みにたくさんの宿題を出すことはよくないと思う。

 

テーマがテーマなので(笑)多少無理がある内容になってしまいましたが、

  1. 是非の主題「宿題が多いのはよくないと思う」
  2. 理由その1
  3. 理由その2
  4. 反対意見への理解→再度是非の主題

という流れどおり、構成を組み立てることはできています。

自分はこんな意見があるからこのテーマで書く!

そう決めている人は、この書き方を参考にしていただけるかと思います。

 

ABOUT ME
菅野恭子
筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒。 作文指導に定評のある言葉の森にて指導に携わる。 現在、言葉の森の教材・指導法にてシンクス東品川教室・シンクス上永谷教室・シンクス阪東橋教室で作文教室開講中。 2000年2001年2002年生まれの三兄弟の母。