作文の書き方

意見文の書き方:厳しい先生と優しい先生

先生について:あなたはどう思う?

学校の先生にも、様々なタイプがいますね。

厳しい先生や、優しい先生、物静かな先生や、おもしろい先生など。

その中でも今日は、厳しい先生と優しい先生を取り上げて、意見文の書き方の練習をしていきましょう。

今回は、弁証法を元にした意見文の書き方についてお伝えします。

弁証法という言葉、初めて目にした人もいるかな?

弁証法って何?

弁証法というのは、ある問題について様々な視点から考え、いちばん良い答えを見つけ出すための方法です。わかりやすいようにA B Cという3つのステップで説明しますね。

まずは、Aです。これは最初の意見や考え方のことです。例えば、「厳しい先生は良い」という意見があるとします。

次に、Bです。これは最初の意見に対して反対の意見を考えます。「優しい先生が良い」というAとは反対の意見があるとします。

最後に、Cです。これはAとBの両方を考慮して、より良い答えを見つけることです。例えば、「厳しいのも優しいのも良いが、何より生徒の成長につながることが大切」という結論を出すことができます。

AもBもいいけれど、やはり私はCがいいな!

弁証法という難しい言葉が登場して、

「なんだか難しそうだな」

と、読むのが嫌になってしまった人もいるかもしれません。

単純に言うと、

「AもBもいいけれど、私はCがいいな」

という形を作ります。

あなたが伝えたいのは、

私はCがいい!

という一点。

カレーは好き?

意見文の話題からは脱線しますが、

あなたはカレーは好きですか?

一昔前までは、カレーといえばごく普通のカレーがみんなの共通認識だったと思います。

ごく普通のカレーとは、

お肉に玉ねぎ、にんじん、じゃがいもが入っているもの。

バーモントカレーなどのパッケージにある写真のようなカレーですね。

ところが、今は、多種多様なカレーが一般的に知られるようになりました。

スパイスカレーやタイカレーもお馴染みになりましたね。

スープカレーやキーマカレーなども人気があります。

カレーだとご飯が進むという人もいる一方で、

ご飯ではなくナンと共に食べたい方もいるかもしれませんね。

「カレー食べに行かない? 何カレーにする?」

と尋ねられたときに、

「うーん、そうだなあ。タイカレーもいいし、スパイスカレーもいいけど、やっぱり私は、お家で食べるお母さんが作った具がゴロゴロ入ったカレーがいいなあ。」

こんな答え方をするとイメージしてくださいね。

弁証法をもとにした意見文は、まさにこのパターンで書いていくのです。

「YouTubeも、ネトフリもいいけれど、本当は読書がいちばんいいなあ」

これも同じパターンです。

「海も山もいいけれど、家でゴロゴロしているのがいちばん好きな夏休みの過ごし方だな」

これも同じですね。笑

どうでしょう?

日常でこのように思考すること、結構あるのではないでしょうか?

厳しい先生も優しい先生もいいけれど…

この形を、厳しい先生と優しい先生というテーマに用いるとしたら?

さて、どうなるでしょう?

もうお分かりですね!

そうです。

厳しい先生も優しい先生もいいけれど、私は、〇〇な先生がいいなあ」

この形を作っていきます。

では、書き方の解説に入りますよ〜。

(やっとかよ! と思ったかな笑)

意見文の構成は四段落構成でいこう

作文と聞くとすぐに起承転結という言葉が浮かぶ人も多いですね。

この考えは、指導している立場からすると短絡的だとも思うのですが、あながち間違ってもいないのです。

起承転結の内容は置いておくとして、四つのまとまりを作っていきましょう。

大まかな内容な次のとおりです。

1 先生についての話題が始まると伝えるためのエピソード

2 厳しい先生について

3 優しい先生について

4 厳しい先生も優しい先生も良いが大切なのは〇〇だ

第一段落はエピソードを

第一段落では、今回の意見文は先生(先生から派生して指導すること等)について書いていくことを示していきます。

たとえば、

  • 今年の僕の担任の先生は、校内で最も厳しい先生として有名だ。そのため、クラスのみんながきびきびしてきたように思う。
  • 私は今まで優しい先生にしか出会ったことがない。反対に姉は、厳しい先生が担任になることが多いようだ。
  • 昔に比べ厳しい先生が減ったと言われる
  • 先日、優しい先生と厳しい先生どちらが良いかと言う話題で盛り上がった
  • 関わる先生の人柄が、学校生活を大きく左右する

このようなエピソードを述べていきましょう。

そして、第二段落に入ります。

たしかに厳しい先生は良いと言う考えがある

第二段落は、

たしかに、厳しい先生は良いと言う考えがある。

または

たしかに、優しい先生は良いと言う考えがある。

と一文からスタートします。

厳しい先生を取り上げるか、それとも優しい先生を取り上げるかは、

エピソードの内容から、自然に第二段落に繋げていきます。

たとえば、先ほどいくつか挙げたエピソードを見てみましょう。

今年の僕の担任の先生は、校内で最も厳しい先生として有名だ。そのため、クラスのみんながきびきびしてきたように思う。

この場合は、「たしかに、厳しい先生は良いと言う考えがある。」の方が自然ですよね。

私は今まで優しい先生にしか出会ったことがない。反対に姉は、厳しい先生が担任になることが多いようだ。

この場合は、は優しい先生をよく知っているので、

「たしかに、優しい先生は良いと言う考えがある。」の方が自然でしょう。

このように、エピソードから自然に展開できる内容を選ぶのがコツです。

そして、「たしかに、厳しい先生は良いと言う考えがある。」に続いて、その例を挙げます。

なんといっても自分自身の体験が良いのですが、一般的に考えられる話題でも構いません。

参考例をあげましょうか。

たしかに、厳しい先生は良いと言う考えがある。僕の担任は、とても厳しい。授業中の私語はもちろん、宿題や持ち物を忘れることにも容赦ない。そのおかげで、僕のクラスはどこのクラスよりも秩序がある。集中して授業に取り組むことができるので、成績もぐんぐん伸びてきている。クラス全体に真剣な雰囲気が漂っているのだ。

いかがでしょうか。

これで第二段落は完成です。

さあ、次は第三段落ですよ!

一方で、優しい先生が良いという考えもある

第三段落は、先ほど取り上げた先生と対になる先生について述べていきます。

段落の始まりの一文は、

一方で、優しい先生が良いという考えもある。

または、

一方で、厳しい先生が良いという考えもある。

「一方で」に変わる言葉としては、

「その反対に」

「対して」

などがあります。

第二段落で書いたように、

「一方で、優しい先生が良いという考えもある」に続き、その具体的な実例を書き入れていきましょう。

ここでも参考例を挙げておきましょう。

一方で、優しい先生が良いという考えもある。去年の担任は、とても優しい先生だった。クラスにはのんびりした雰囲気が漂い、いつも賑やかだった。生活面でも勉強面でも、できないことがあっても注意されることがなかったため、のびのびしていたように思う。

最後の段落で自分の主張をズバリ述べよう

さあ、ここまできたら、いよいよ自分の意見をど〜んと出しましょう。

AもBもいいけれど、私はCがいいな!

これのCを述べていきますよ。

厳しい先生、優しい先生、その良さについて述べてきました。

良いのはわかるよ! でも、「厳しいだけ」「優しいだけ」ではダメじゃない?

このモヤモヤを言語化してあなたの意見Cを述べていきますよ!

たとえば……

厳しいだけでも優しいだけでもなく

大切なのは生徒の将来を考える気持ちがあるかどうか

生徒に真剣に向き合ってくれる先生がいちばんだ

問題なのは厳しいか優しいかではなく、生徒が成長できるかどうかだ

このように考えられるのではないでしょうか。

言語化したものを、第四段落にまとめていきますよ。

参考例

厳しい先生も優しい先生も良いと思うが、私は、生徒の将来を考えてくれる先生がいちばん良いと考える。

厳しい先生にも優しい先生にも良さがあるが、私は、生徒に真剣に向き合う気持ちがあることが良い先生に必要な条件だと思う。

このように、「AもBもいいけれど、私はCがいい」の形を作ってみてください。

A  厳しい先生

B 優しい先生

C 〇〇な先生

のように、必ずしも「〇〇な先生」の形にする必要はありません。

簡単にいうと、

「厳しい先生も優しい先生も良いけれど、私はおもしろい先生が良い」

の形ですね。

参考例で挙げたように、

生徒に真剣に向き合う気持ちがあることが良い先生に必要な条件だと思う

でもOKです。自分のモヤモヤをぴたりと表現できる内容にしてみましょう。

AもBもいいけれどCがいい

いかがでしょうか。

理解できましたか。

慣れるまでは難しく感じるかもしれませんが、基本は

「AもBもいいけれど、Cがいいな」

「AもBも大事だけれど、いちばん大事なのはCだな」

という単純な形ですよ。

ね、簡単でしょ?

二つの対立する意見を踏み台にして、自分の意見Cを述べる!

この書き方をマスターしたら、怖いものなしです。

ちなみに、対立した意見は、次のようなものがありますね。

家庭学習の定着に宿題は必要⇔家庭学習は個別で行うもので宿題は必要ない

テストは必要⇔テストは必要ない

部活には絶対参加するべき⇔部活は入らなくても良い

褒めて育てるべき⇔厳しく育てるべき

皆さんも探してみてください!

ABOUT ME
きょうこ先生
2003年より作文指導に携わる。東京(品川)横浜にて対面指導。 現在はオンラインをメインに、愛媛県松山市にて対面指導を行っている。長く続けてくださる生徒さんが多いのが自慢!(平均5〜6年。最長は13年!) 作文がスラスラ書けるようになった、国語の成績がぐ〜んと上がったという声はもちろんのこと、自分の意見が言えるようになった、コミュニケーション力が上がった、親子の会話が増えたなどの声も多くいただく。