みなさん、こんにちは!
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。
さて、夏休みの宿題の定番といえば読書感想文ですが、「ボイス・オブ・ユース(青少年の主張)」の作文が書けずに困っている子が多いようです。
今日は、「ボイス・オブ・ユース(青少年の主張)」作文の書き方を説明したいと思います。
「ボイス・オブ・ユース(青少年の主張)」のテーマは
「ボイス・オブ・ユース(青少年の主張)」のテーマは5種類あるようですね。
副題に
~日ごろの思いを作文にしてみよう~
とあります。ということは、日常の等身大の自分が考えていることを書いていけばよいのです。難しく考えず、素直な気持ちを表現してみましょう。
まずはどのようなテーマがあるか、確認してみましょうね。
テーマ
①地域活動に参加して(ボランティア、まつり、青少年指導員の活動【キャンプボイス等】に参加して感じたことなど)
②私の夢(将来の夢、こんな大人になりたいなど)
③私のまち・学校・友達・家族(みんなに自慢できるあんなこと、こんなことなど)
④ルールとマナーに向き合う(スマホ、ゲーム、酒、たばこ、薬物など)
⑤自由課題
特別に書きたいことがある人は、⑤の自由課題を選んでみてもよいでしょう。
ほとんどの人は、①から④の中から、これだったら書けそうだなと思えるものを選んでみましょう。
今回は、①の地域活動に参加して(ボランティア、まつり、青少年指導員の活動【キャンプボイス等】に参加して感じたことなど)の書き方について解説したいと思います。
ちなみに、②の「私の夢」に関しては、書き方の説明をこちらで解説しています。
参考にしてみてください。
基本的な書き方
①の地域活動に参加しての作文は、具体的な体験に基づく内容になりますね。
その場合、地域活動に参加したことを通して感じたこと、また、その体験を生かして将来こんな生き方をしたいという展望まで書けるとさらに充実したものになりそうです。
基本的な流れ
構成としては4段落構成が理想です。1200字の指定がありますので、一段落300字程度を目安に進めていくとよいでしょう。
- 導入部分 (こんな活動に参加した 人の役に立てることのうれしさを実感した等感じたことに触れる)
- 体験談その1(人の役に立てた具体的な体験談)
- 体験談その2(もうひとつの体験談または過去に参加したときに感じたこと)
- まとめ 将来の展望(一般化の主題、生き方の主題などでまとめる ※あとで詳しく説明します)
具体的な書き方
それでは、実際に具体的な書き方について。段落ごとに参考例をあげていきますね。
第一段落
まず第1段落の導入部分について。ここでは、いつどのような地域活動に参加したのかを書いてみましょう。
今年の夏休み、私は地域の夏祭りの実行委員にボランティアとして参加した。生まれたときから住んでいるこの町。母の実家もこの町内にある。祖父母も母も、ずっとこの町で生まれ育ってきた。だから、私も、なにかこの町の役に立つことができたらいいなと思ったことがきっかけで、今回のボランティアに参加することにした。軽い気持ちで参加したのだが、私は、人の役に立つこと、また、人にありがとうと感謝されることがこんなにもうれしい気持ちになることを初めて知った。
第二段落
つぎは活動の中で人の役に立った出来事を具体的に書きます。たとえばこんな感じ。
私が担当したのは、小さな子どもたちのお世話だった。私はひとりっ子できょうだいがいないので、小さな子の扱いは正直苦手だ。どうしたらいいのか、さっぱりわからない。そんな状態でのスタートだったけれど、周りの大人の人たちの姿を見よう見まねで、小さな子たちの面倒をみていった。自分では心をこめてやっていたつもりだったけれど、あまり自信がなかった。それなのに、子どもたちやそのご両親から、「ありがとう」とお礼を言われた。それも何人もの人に。私でも人の役に立つことができるんだと、ほんとうにうれしく思った。それは、じんわりと心の奥から満足が広がるようなうれしさだった。
第三段落
この段落では、今回の活動以前に、別にボランティアに参加したことがあればそのときのこと。もし、こういった経験がないようだったら、両親など身近な人のボランティア体験について聞いた話など。第二段落の話題とはまた少し違う視点で「地域への活動への参加」というテーマを考えてみましょう。
私は、中1のときに、老人ホームのボランティアに参加したことがある。そのときは、ボランティア活動をしたという実績がほしくて参加した。そのころの自分はとても嫌なやつだったと思う。受験で有利になるかもしれないと考えていたのだ。そんな考えで、形だけ参加したものだから、全くおもしろくなかった。早く終わりの時間にならないか、そんなことばかり考えていた。結局、私は、ボランティアの本質に触れることさえなかった。もしあのとき積極的に進んで行動していたら、もっと早く、人の役に立てる喜びに気付いたかもしれないと思うと少し残念だ。
第四段落
最後のまとめです。ここでは、「一般化の主題」や「生き方の主題」など、ボランティアというものを大きな視点で見ることができるとよいです。
一般化の主題
〇〇は人間にとって□□である
というように、物事を大きな視点でとらえてみます。個人的なことではなく万人に共通する公式を作るイメージで取り組んでみるといいでしょう。
生き方の主題
私は〇〇な生き方をしたい
これから自分がどういった生き方をしていきたいか、ストレートに表現してみましょう。ビシッと決まると、かなりカッコいいですよ。
では書き方の具体例を。
人間にとって、人の役に立てるということは、とても嬉しいことだ。情けは人の為ならずということわざのとおり、人のために何かすることは、結局、自分のためになる。私が、心からの満足感を感じたように、誰かの役に立てたという満足感は、人生を豊かにしてくれるものだと思う。だから、私は、誰かの役に立てるような生き方をしていきたい。
参考例
今年の夏休み、私は地域の夏祭りの実行委員にボランティアとして参加した。生まれたときから住んでいるこの町。母の実家もこの町内にある。祖父母も母も、ずっとこの町で生まれ育ってきた。だから、私も、なにかこの町の役に立つことができたらいいなと思ったことがきっかけで、今回のボランティアに参加することにした。軽い気持ちで参加したのだが、私は、人の役に立つこと、また、人にありがとうと感謝されることがこんなにもうれしい気持ちになることを初めて知った。
私が担当したのは、小さな子どもたちのお世話だった。私はひとりっ子できょうだいがいないので、小さな子の扱いは正直苦手だ。どうしたらいいのか、さっぱりわからない。そんな状態でのスタートだったけれど、周りの大人の人たちの姿を見よう見まねで、小さな子たちの面倒をみていった。自分では心をこめてやっていたつもりだったけれど、あまり自信がなかった。それなのに、子どもたちやそのご両親から、「ありがとう」とお礼を言われた。それも何人もの人に。私でも人の役に立つことができるんだと、ほんとうにうれしく思った。それは、じんわりと心の奥から満足が広がるようなうれしさだった。
私は、中1のときに、老人ホームのボランティアに参加したことがある。そのときは、ボランティア活動をしたという実績がほしくて参加した。そのころの自分はとても嫌なやつだったと思う。受験で有利になるかもしれないと考えていたのだ。そんな考えで、形だけ参加したものだから、全くおもしろくなかった。早く終わりの時間にならないか、そんなことばかり考えていた。結局、私は、ボランティアの本質に触れることさえなかった。もしあのとき積極的に進んで行動していたら、もっと早く、人の役に立てる喜びに気付いたかもしれないと思うと少し残念だ。
人間にとって、人の役に立てるということは、とても嬉しいことだ。情けは人の為ならずということわざのとおり、人のために何かすることは、結局、自分のためになる。私が、心からの満足感を感じたように、誰かの役に立てたという満足感は、人生を豊かにしてくれるものだと思う。だから、私は、誰かの役に立てるような生き方をしていきたい。
体験から生まれた感想を大切に
体験を通して感じたことは、どれも正解です。
参考例として一例をあげていますが、これが正解というわけでもありません。
間違いはありませんから、自分の思いを自信を持って書いてみましょう。