みなさん、こんにちは!
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。
さて、夏休みの宿題の定番といえば読書感想文ですが、「ボイス・オブ・ユース(青少年の主張)」の作文が書けずに困っている子が多いようです。
今日は、「ボイス・オブ・ユース(青少年の主張)」作文の書き方を説明したいと思います。
「ボイス・オブ・ユース(青少年の主張)」のテーマは
「ボイス・オブ・ユース(青少年の主張)」のテーマは5種類あるようですね。
副題に
~日ごろの思いを作文にしてみよう~
とあります。ということは、日常の等身大の自分が考えていることを書いていけばよいのです。難しく考えず、素直な気持ちを表現してみましょう。
まずはどのようなテーマがあるか、確認してみましょうね。
テーマ
①地域活動に参加して(ボランティア、まつり、青少年指導員の活動【キャンプボイス等】に参加して感じたことなど)
②私の夢(将来の夢、こんな大人になりたいなど)
③私のまち・学校・友達・家族(みんなに自慢できるあんなこと、こんなことなど)
④ルールとマナーに向き合う(スマホ、ゲーム、酒、たばこ、薬物など)
⑤自由課題
特別に書きたいことがある人は、⑤の自由課題を選んでみてもよいでしょう。
ほとんどの人は、①から④の中から、これだったら書けそうだなと思えるものを選んでみましょう。
今回は、③私のまち・学校・友達・家族 の書き方について解説したいと思います。
ちなみに、①の地域活動に関しては、書き方の説明をこちらで解説しています。
②の「私の夢」に関しては、書き方の説明をこちらで解説しています。
参考にしてみてください。
基本的な書き方
③のテーマは、私のまち・学校・友達・家族(みんなに自慢できるあんなこと、こんなことなど)。
みんなに自慢できるあんなこと、こんなこと とありますね。
自分が住んでいる町、通っている学校、仲良しの友達、家族……
みなさんが、
「ねえ、ちょっと聞いて、私の○○ってこんなに素敵なんだよ!」
そう自慢したくなってしまう○○を話題にしてみましょう。
たとえば、自分には、信頼できる仲間がいるとしましょう。
そんな素敵な仲間について、自慢したいエピソードをふたつ、探してみましょう。
- 同じダンスチームの仲間。発表会のたびに、毎回、力を合わせて練習に取り組んできた。辛いときも励まし合う、とてもよい関係
- 4人の意見が合わないこともときどきあるけれど、みんなそれぞれ、思っていることを口にできる。ケンカしても、きょうだいのようにいつのまにか仲直りしている
このふたつのエピソードを軸に、内容を進めていきます。
書き方の流れ
1 状況説明(導入部分)
これから伝えたいことについて、「こんな話をしますよ」と、さらっと触れる部分になります。
どのような仲間がいるのか、簡単に説明してきます。
私には、幼なじみのダンス仲間がいる。私もあわせて4人だ。子どものころから同じダンスチームで、一緒に練習してきた。子どものころは、まるで子犬がじゃれ合っているような、遊びの延長のような練習だったが、今では、かなり上手に息の合ったダンスを披露できるようになった。親にも、
「ほんとうに仲良しだよね」
と笑われるくらいにいつも一緒だ。この仲間は、私のエネルギー源でもある。
このように、いまの状況や、仲間の歴史について、さらっと触れておくとよいでしょう。
そして、つぎに、先ほどのエピソードふたつを使っていきます。
状況説明→エピソード1→エピソード2
という流れですね。
このエピソードには、親など身近な人から聞いた話や、本で読んだ話、誰もが知っている著名人の話などを添えるとさらに内容が深まります。
まとめの段落が腕の見せどころ
まとめの段落は、「一般化の主題」を用いてまとめます。
これは、「○○とは、人間にとって○○である」というように、物事を大きな視点で見つめ考えていきます。
ふたつのエピソードから導き出せることでまとめるのが望ましいです。
たとえば、
仲間とは、人間にとって、必要な存在である
と書くことができます。
この、一般化の主題の前後に少し言葉を補いましょう。
私は、こんな素敵な仲間とともに成長することができて、ほんとうによかったと思っている。もし、この仲間に出会うことがなかったら、私の毎日はもっとさみしいものだったに違いない。仲間とは、人間にとって、必要な存在である。一緒に笑い転げたり、励ましあったり、ときにケンカして、仲直りしてさらに理解する。この仲間のおかげでとても充実した毎日を送っている。
このように、一般化の主題を中心に据えて、まとめていくとよいでしょう。
参考例
私には、幼なじみのダンス仲間がいる。私もあわせて4人だ。子どものころから同じダンスチームで、一緒に練習してきた。子どものころは、まるで子犬がじゃれ合っているような、遊びの延長のような練習だったが、今では、かなり上手に息の合ったダンスを披露できるようになった。親にも、
「ほんとうに仲良しだよね」
と笑われるくらいにいつも一緒だ。この仲間は、私のエネルギー源でもある。
私たちは、ただの仲良しグループなのではない。楽しいだけの関係では、これほど強い結びつきはなかったと思う。ダンスの発表会のたびに、毎回、力を合わせて練習に取り組んできた。私は、もともと運動神経がよい方ではない。練習についていくのがやっとのときもあるし、振り付けもなかなか覚えられない。そんなときはいつも、他のメンバーが率先して教えてくれる。一度、みんなに提案したことがある。自分よりももっと上手な子をメンバーに入れたらいいのではないかと。すると、みんなは、私だから一緒にやっているのだ、ほかの子では意味がないと言ってくれた。心からありがたいと思って、それから猛練習したのは言うまでもない。辛いときはいつもお互いを励まし合う、とてもよい関係を築いている。スポーツも、チームの雰囲気がよいと強いと言われるが、とてもよくわかる。
よく、女子の仲間は、陰で悪口を言い合い、本心ではどう考えているかわからないと言われる。母は、中学時代に女子同士の陰口に悩まされたそうだ。でも、私たちは、そういったことはない。言いたいことは遠慮せずに言うのがルールだ。4人の意見が合わないこともときどきあるけれど、みんなそれぞれ、思っていることを口にできる。ケンカしても、きょうだいのようにいつのまにか仲直りしている。これが幼なじみの心地よいところだと思う。きょうだい同然のように育ってきたからだろう。ほんとうのきょうだいではないけれど、安心してなんでも言い合える仲間がいるというのは、とても心強いものだ。自分には味方がいる、そう思うと、心も安定する。
私は、こんな素敵な仲間とともに成長することができて、ほんとうによかったと思っている。もし、この仲間に出会うことがなかったら、私の毎日はもっとさみしいものだったに違いない。仲間とは、人間にとって、必要な存在である。一緒に笑い転げたり、励ましあったり、ときにケンカして、仲直りしてさらに理解する。この仲間のおかげでとても充実した毎日を送っている。