作文の書き方

作文を話し言葉で書いてしまうのはどうしたらよい?

ご相談をいただきました

先日、LINEのオープンチャットにて、作文や読書感想文にまつわるお悩みにお答えしました。

ご相談をいただいたうち、公開OKをいただいたものを、ご紹介していきます。

話し言葉で書いてしまう

まずは、こちらのご相談から。

小2の男の子です。

書くことには抵抗がないのですが、話し言葉で書いてしまうのが気になります。

書き言葉は、どうやって教えていったら良いのでしょう。

話し言葉と書き言葉の区別は難しい

小2ということですから、

書き言葉と話し言葉の区別が、またよく理解できていないと思われます。

今の子どもは、小さい頃からYouTubeなどのメディアに触れているので

言葉の情報は、目よりも耳から得ていることが多いように思います。

日常生活の中で触れる言葉のほとんどが、話し言葉なんですよね。

また、触れ合う大人がいつも変わらぬ顔ぶれという子も多いです。

その場合、話し言葉、それも単語のみでの会話が当たり前になってしまいます。

そうすると、いざ書くというときに、どうしても話し言葉になってしまうのは致し方ないこと。

何より素晴らしいことは……

ご質問を読んで

書くことに抵抗がないというところに感心しました。

これは、何よりも素晴らしいことです。

抵抗なく取り組めるのは伸びるために必要な要素なんです。

ですから、今は、

「書くの嫌だな」

と否定的な気持ちにさせてしまうのは、いちばん避けたいところ。

欲を言えば、抵抗がない状態を、

さらに、「書くことが好き!」にレベルアップさせてあげたいんです。

その前提で

じゃあ、書き言葉を教えていくにはどうしたら良いか、

このご質問にお答えしますね。

添削にはあまり意味がない

みなさんが、まずイメージされるのは、添削して、赤でチェックするということじゃないでしょうか。

作文指導というと、添削!赤ペン先生!というイメージが真っ先に頭の中に浮かぶ方がほとんどだとお思います。

でも、添削は、あまり意味がありません。

低学年で、話し言葉と書き言葉の区別がつかない子に、赤でチェックを入れたり、正しい書き言葉に書き換えさせるというのは、書くことに対する否定的な気持ちを増やしてしまうだけ。

実際に、赤を入れても子どもはほとんど見ていません。

一生懸命書いたものをあちこち否定されるのですから、当然といえば当然なのです。

大人でも嫌になるのではないでしょうか。

ただし、これが、来月の受験のために本人が必死という場合だったら話は別です。

しかし、まだ低学年で、その上、書く力があるとどんないいことが待っているか、なんてわからない子には、逆効果。

じゃあ、どうしたらいいの?

二つご提案しますね。

書き言葉を身につける方法その1

教科書の音読を繰り返すことです。

余力があれば、お手本になりそうな文章を書き写すとさらに効果的です。

いつも耳で聞いている言葉が文字になったらどうなるのか。

「話しているのと書いているのでは違うのだなあ」

と意識させることが第一歩です。

もちろん読書も良いですが、どんな本を選べば良いのかが難しいですよね。

特に児童書は、話し言葉で書かれているものも多いので、書き言葉を理解させるという点でいえば、やはり教科書がベストです。

様々なジャンルの文章に触れることができるのもメリット。

毎日必ず音読して、一文だけ書き写すというのも良いでしょう。

やらされてる、という感覚だとやっつけ仕事になるので

ここは工夫が必要です。

低学年でしたら、まだお母さんと触れ合うことを喜びますから、一緒に横になって、交互に音読するのも良いでしょう。

イチャイチャタイムに音読という習慣を作れば、無理なく音読ができますよ。

お子さんにも個性がありますので、どのような方法なら無理強いせずに続けることができるか、頭を捻ってみてください。

書き言葉を身につける方法その2

二つ目は、話し言葉と書き言葉は違うことに気づかせる働きかけをすることです。

添削に意味がないのと同様、どんなに口を酸っぱくして注意しても、本人が違いを意識しない限り、変わることはありません。

そうでないと、その場しのぎで、またすぐに戻ってしまいます。

実際に、受験前になっても、話し言葉で書いてしまう中学生も少なくありません。

そのくらい、本人の自覚がないと直すことは難しいのです。

たとえば、学校のお便りにしてもお母さんが声に出して読んでみるなど、

「あ、話している言葉となんか違うな」

と気づくきっかけを与えてあげるんですね。

低学年では、書き言葉に触れる機会が多い子ほど、その違いを理解できます。

知識として詰め込むよりも、ずっと応用が効きます。

結論は

今の抵抗がない状態を保ちつつ、書き言葉に触れる機会を増やして、本人に気づきを与えるということを意識して、導いてあげてくださいね。

ABOUT ME
きょうこ先生
2003年より作文指導に携わる。東京(品川)横浜にて対面指導。 現在はオンラインをメインに、愛媛県松山市にて対面指導を行っている。長く続けてくださる生徒さんが多いのが自慢!(平均5〜6年。最長は13年!) 作文がスラスラ書けるようになった、国語の成績がぐ〜んと上がったという声はもちろんのこと、自分の意見が言えるようになった、コミュニケーション力が上がった、親子の会話が増えたなどの声も多くいただく。