みなさん、こんにちは。
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。
今回も受験作文の書き方について解説していきます。
2018年度のとある都立高推薦入試での出題から、
「あなたが中学校生活を、漢字一文字で表すとしたらどのような漢字になりますか」
なぜその漢字を選んだのか、その思いを今後の高校生活にどう生かしていくのか、具体的に書きなさい。
についての解説です。
まずは中学生活を表す漢字をみつけよう
昨年2018年を表す漢字は「災」でしたね。
あのように、自分自身の中学生活をひとつの漢字で表現してみるとしたら?
そして、その漢字一文字へ詰まった思いを高校生活にもつないでいくところまでが問われている課題です。
ですから、中学時代だけで完結する内容ではなく、今後、高校生活においても大切にしていきたい思いを表現できる漢字である必要がありますね。
その点を意識して、まずは漢字を選んでみましょう。
自分自身を表すもの、自分のしてきたことを表すもの、自分が打ち込んだ対象である物……いろいろありそうです。
いつも仲間が集まってくる子だったら「集」、いつも一番になることを目標に頑張る子なら「一」なんていうのもありかもしれません。
また、吹奏楽部漬けの中学時代だったら「音」なんていうのも素敵ですね。
中学生ならではのみずみずしい感覚で、自分だけの一文字を見つけてください。
見つかりましたか?
では、どうしてその漢字を選びましたか? その理由もあわせて考えておきましょう。
そこまで準備ができたら、書き方について段落ごとに見ていきましょう。
第一段落 漢字を紹介
まずは、結論から。
自分の中学時代を表す漢字一文字を紹介しましょう。
私の中学生活を漢字一文字で表すとしたら、〇〇である。
このように、ズバリ書いてください。
たとえば、いつも笑顔でいることを心掛けていたという場合、
私の中学生活を漢字一文字で表すとしたら、笑である。
と書きます。

第二段落 理由その1
第二段落では、なぜその漢字を選んだのか、理由を述べていきます。
漢字を選ぶ際に、あわせて理由も見つけておいてね、と言いましたが、ここで使うからです。
さきほど、笑という漢字を選んだ場合、この段落はつぎのように書けそうです。
その理由のひとつめは、つねに笑顔で前向きに頑張ってきたからだ。中学生になってから時間の流れるスピードがぐんと速くなった。部活が始まり、勉強も難しくなり、また、人間関係でも小学生時代とは違う難しさが生まれ、目まぐるしく過ぎていく毎日。そのスピードについていくのが大変で、入学早々、疲れてしまった時期がある。そのとき、落ち込んでいても何も変わらない。自分から変えていかなくては、と感じた。それからというもの、私は笑顔でいることを意識して、何事も前向きに取り組むようになった。笑う門には福来るとは本当で、笑顔を意識するようになってから、いろいろなことがうまく運ぶようになった。
このように、その漢字を選んだ理由を、漢字にまつわるエピソードを添えながら述べていきます。
第三段落 理由その2

第三段落では、ふたつめの理由を述べていきます。第二段落と同じ要領で、ふたつめの理由を探してみてくださいね。
先ほどの続きです。
ふたつめの理由としては、笑顔でいることで、周囲の人も笑顔になったり元気になったりするからだ。笑顔を意識するようになってから、友達や近所の人に「笑顔がいいね」と言われることが増えてきた。また、いつも元気もらえると言われることもある。確かに、怒っている人や落ち込んでいる人が近くにいると、その人が気になってしまいこちらまで緊張することがある。そう考えると、その反対の笑顔でいることは、みんなに楽しい気分や元気を与えていることが理解できる。自分だけが前向きになるのではなく、周囲も巻き込んでいけることを素晴らしいと感じている。
どうでしょう。ここまで順調に書けましたか?
いよいよ最後の第四段落に進みます。
第四段落 まとめ

最後の段落はまとめ。
ここで高校生活へつながる思いを述べていきます。
高校でも選んだ漢字を生かしていきたいという展望を考えてみましょう。
中学生活で実感した笑顔の大切さ。笑顔を絶やさないのは、すでに私の長所であり、トレードマークだ。これからの高校生活でも、持ち前の笑顔を生かして、たくさんの友人と交流し、クラスを明るくするような存在でいたいと考えている。
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