みなさん、こんにちは。
学習塾シンクスで作文を教えている菅野恭子です。
昨日は土曜日。
東品川教室の作文教室の日でした。
昨日は、小2の女の子が体験レッスンを受けにきてくれました。
作文の体験レッスンってどんな感じ?
そう思っていらっしゃる方も多いかと思いますので、昨日のレッスンの様子をお伝えしようと思います。
「じゆうなだいめい」が見つからない……
低学年の作文は、毎回
「じゆうなだいめい」
で書いてもらいます。
昨日体験レッスンに来た女の子も小2ですので、
「じゆうなだいめい」
でなにか書けそうなことはないか、というところからお話しをしました。
う~~~ん……と悩んでなかなか言葉が出てきません。
そのような状況になったら、方向転換。
「じゃあ、今日のことはどうかな?」
どうしても書きたいことが浮かばない場合は、
「きょうのこと」
をおすすめします。
今日のできごとなら誰でもいえる
さて、じゆうなだいめいが浮かんでこなかった彼女。
実は、浮かんでこないわけではないと思うのです。
こんなこと言ったら変かな?
などの思いが沸いてしまうと、なかなか素直にこれを書きたいと言えないこともあります。
先生や親にダメ出しされた経験があるとなおさら。
彼女には、
「今日、朝起きてからどんなことをしたかな?」
と尋ねました。
そのときに、一例としてこんな簡単なことを言います。
「今日は8時に起きました。土曜日はお休みなので、いつもより遅く起きます。朝ごはんは、パンケーキを食べました。バターとはちみつをたっぷりかけて食べるのが好きです。おなかいっぱいになったので、昼寝もしました。」
そうすると、
「私は7時に起きた。それからイオンに行った。」
など、情報を教えてくれる子が多いです。
なぜなら、今日の出来事なら、鮮明に覚えているからです。
楽しかった、悲しかった、つまらなかったなど、その内容に関わらず、単なる出来事として覚えていることを話してもらいます。
つぎつぎ出てくる作文のネタ
彼女の口から
「イオンに行った」
という言葉が出たので、このあたりを少し掘り下げてみようと思いました。
私がインタビューしてみると。。。
- お父さんと妹と3人でイオンに行った。
- 自転車の修理をするために行った。
- 自転車を押して行ったので、9時50分に家を出て、着いたのは11時20分だった。
- サンダルを買ってもらった
- 水色でキラキラしていて、リボンもついているサンダル
- 買ってもらえると思わなかったのでとてもうれしかった
こんなにたくさんのネタが出てきました。
サンダルを買ってもらってうれしかったのひとことで済んでしまう話題かもしれませんが、どんなサンダルなのか、どこで買ったのか、買ってもらってどんな気持ちだったか、などを尋ねていくと、思いがけない答えが返ってきたりします。
かわいい?それとも大人っぽい?
たとえば、私は、このサンダルをどんなサンダルなのか知りたかったのです。
- 水色
- 濃い水色から薄い水色のグラデーション
- ところどころキラキラしている(たぶんラメ)
- リボンがついている
- 足首でぱっちんと止めるようになっている
このように色や形状は理解できました。
しかし、まだ、全体の雰囲気がわかりません。
小2の女の子がほしがるサンダルとは?
そこで、こんなことを聞いてみました。
「そのサンダルを履いたら、どんな気持ちかな? わ~、かわいい!って飛び跳ねたくなる感じ? それとも、美人なお姉さんになった気持ちかな?」
すると、彼女は、
「美人なお姉さんになったみたい」
と答えてくれました。これで、大人っぽいサンダルなのだなあと想像できますよね。
こうしたやりとりをすることで、子どもの中にも、そのサンダルの特徴を表す言葉が刻まれます。
すぐに書けるようにならなくても、こうした訓練や言葉のストックは、いつか文章で、または発言の中で開花すると思っています。
赤ちゃんが言葉を発するようになるまで、周りの大人の言葉を聞いて自分のなかに貯めておくのと同じだと考えるからです。
話したうえで項目の解説
いろいろとお話しを聞いたうえで、作文に書き入れる4つの項目を説明しました。
- 名前と数字を詳しく書く
- 会話のカギかっこを入れる
- たとえ(まるで~みたいに)を入れる
- 最後は思ったことでおしまい
この4つです。
会話のかぎかっこ
どんな会話をしたのかも、きょうのことなら記憶していますね。
インタビューの段階で、会話の内容も聞いているので、すぐに会話のかぎかっこが作れます。
たとえ
たとえは、ちょっと難しく言うと比喩表現のこと。
「たとえ」や「比喩」という言葉はわからなくても、いくつかヒントを出してみると、すぐに理解してくれます。
彼女は濃いピンク色、ベリー色といえばよいでしょうか、そのペンケースを持っていました。
「この色に似てるものってあるかな? なにか思いつくものある?」
と聞いてみると、
「いちご!」
と返ってきました。
「じゃあさ、この色って、まるでいちごのような色です、って言えるね。」
「じゃあ、こっちはどうかな? このピンクを、まるで~みたいにって言うとしたら何がぴったりくるかな?」
そう言って私のペンケースのピンクを、たとえを使って表現してもらいました。
彼女は
「まるで桃みたいな色!」
と、ぱあっと笑顔を咲かせて答えてくれました。
とても上手ですね。これでたとえもばっちり理解してくれたはず。
あわせて、
同じピンクでもいろいろなピンクがあること、たとえを使うことでその違いを簡単に説明できること
についても、おぼろげながらでもわかってもらえると、私としてはさらに嬉しいです。
素敵な作文が出来上がりました!
この日、彼女が書いてくれた作文は、
「このサンダル最高!」
「買ってもらってうれしい!」
という気持ちが至る所に散りばめられていて、とても微笑ましいものでした。
サンダルを表現してくれたたとえも素晴らしいのです。
まるで空のようなサンダル
そう書いてくれました。
また、おうちに帰って早速履いてみた感想がまた微笑ましい。
まるできれいな人のようだと思いました。
かわいいサンダルじゃなくて、大人っぽいサンダルなのですものね。
思いがけず買ってもらった大人っぽいサンダルを履いて、きれいなお姉さんみたいだと心躍らせている2年生の女の子。
かわいくてかわいくて、その姿や心の中を想像すると、ほんとうに微笑ましくて素敵な作文を読ませてくれてありがとう、そんな気持ちになります。
そうそう、もうひとつ。
自転車の修理のために行ったイオンでしたが、思いがけずサンダルを買ってもらい、うれしい気持ちいっぱいで帰ってきたわけですよね。
その帰り道、修理をして直った自転車のスピードを、
まるで目が飛び出るくらいのスピード
と書いてくれました。このひとことにも、うきうき楽しくてたまらない気持ちが溢れているような気がします。
お知らせ:体験学習は随時受け付けています
長くなりましたが、いかがでしたでしょうか?
”低学年の作文なんてわざわざ習わせる価値があるの?その分英語を習わせたいわ”
そんな声を聞くこともあります。
バイリンガルでないかぎり、私たちは物事を、日本語で考え、日本語で感じています。
作文の勉強は、ただ文章を書くのではなく、その文章を紡ぎ出すための材料をストックする時間とも言えます。
材料とは、書き方のテクニックをはじめ、語彙力、感性、ものの見方等々。
単に文章を学ぶ時間というよりも、言葉を通して人生を豊かにする時間なのでは。。。と多くの生徒さんの成長を見て実感しています。
そんな豊かな人生をわが子に贈りたいなあという方!
シンクスでは、随時体験レッスンを受け付けております。
レッスン時間はつぎのとおりです。
上永谷教室 月・水・金 15:00~22:00
東品川教室 毎週土曜日 10:00~15:30
ご興味のある方は以下のフォームよりお問い合わせください。
こちらから折り返しご連絡いたします。