今日のテーマは、頭のよくなる読み方について。
頭のよくなる読み方があったら?
絶対に知りたいし、やってみたいと思いませんか?
絶対語感ってなに?
絶対音感はおなじみですが、絶対語感という言葉は聞いたことがない方も多いのでは?
外山滋比古さんといえば、言語学者としてよく知られていますが、言語を用いた幼児の情操教育へも力を入れていらっしゃいます。
絶対語感とは、その外山さんが提唱するものです。
絶対語感という言葉にピンと来た方は、『わが子に伝える「絶対語感」』をぜひ読んでみてください。
私は、絶対語感という見慣れない言葉に興味を持ちました。
小学生くらいのお子さんをお持ちの方は、「頭の良い子に育てる」サブタイトルの方が、つい気になってしまうかもしれませんね(笑)
国語の成績をよくするには、本を読ませること。
定説のようになっていますが、実は、いくら本を読んでも、素地がなければ国語の成績には直結しないような気がしています。
その素地こそが、この本の言う絶対語感なのでは……。
たとえば、てにをはの使い方がおかしいと反射的に理解できるのは、絶対語感のなせるわざと言えるのではないでしょうか。
絶対語感については、みなさんに読んでいただくことにして、今回は読み方について思うことをお伝えします。
頭のよくなる読み方なんてあるの?
この本に、読書についての記載があります。
どのような内容かというと、
読書には、アルファ読みとベータ読みの二種類がある。
アルファ読みは、既存の知識で読めるもので、簡単気軽に読める。
ところが、ベータ読みは、既知の物事を超える内容を理解しながら読んでいくもの。
本を読んでいればアルファ読みからベータ読みへ自然と移行できるわけではなく、アルファ読みとベータ読みの間には、なかなか越えられない壁がある。意味がわからなくても読み続けるというチャレンジを通してのみ、ベータ読みができるようになる。
思考力、想像力を総動員するベータ読みが可能になれば、真の意味で読書ができるようになり、知見を広め心の世界を拡大していくことができる。
『わが子に伝える絶対語感』より
というもの。
模試の国語の問題などで、
「何が書いてあるのかさっぱりわからない……」
そう頭を抱えてしまうような文章に出会うことはないですか?
あのような文章を読んでいくことがベータ読みです。
すらすらと楽しく読めてしまう娯楽としての読み物は、アルファ読みの域を出ないのです。
もちろん、読まないよりは読んだ方が断然よいのですが、国語力をつけるための読書とは、ベータ読みを指しているのだと言えます。
このベータ読みこそが、この本のサブタイトルでもある「頭の良い子に育てる」読み方なのです。
負荷をかける内容がポイント
「うちの子はよく本を読んでいるのに国語ができなくて困っています」
この質問も大変多く寄せられるのですが、読んでいる本がアルファ読みで対応できる本なのでは?
作文指導で使用している教材には、各学期に12編の長文が入っています。
この長文は、暗唱や音読の自習に使ったり、感想文を書くためのものです。
長文の内容は、物語や説明文など多岐に渡っていますが、どの学年の教材にも共通するところがあるのです。
それは、該当学年の教科書レベルよりも難しいということ。
既知の物事を超える内容を読み、それで感想文にチャレンジするのです。
これはもう、立派なベータ読みです。
先に引用した外山滋比古さんの文章にある、アルファ読みとベータ読みの超えられない壁を超える手段になります。
とにかく続けてみる
「長文がうちの子には難しすぎます」
というお声をいただくこともありますが、お子さんの能力を侮らないでほしいのです。
意味がわからなくても読む。できれば毎日音読してみる。
こうした地道な勉強は嫌われますが、確実に読む力、また思考力をも鍛えてくれます。
今のレベルのことをするのは、単なる調整です。現状の自分にちょうどよい本を読むのでは、調整にしかなりません。レベルアップはできないのです。
国語力をつける、読解力を鍛えるには、やはりワンランク上の難しい文章を読むことが必要です。
課題フォルダの長文を、ぜひ活用してください!
お勧めの使い方は、毎日一編音読すること。
低学年ならお母様が読み聞かせをしてあげるのも効果的ですよ。
毎日歯磨きをするように、生活の中に文章を読むことが定着するのが理想です。5分もあればできることです。
1日1遍の長文であっても、毎日続けたら365編。なにもやらない場合に比べたら、大きく成長できるのは間違いありません。
ぜひやってみてください。