みなさん、こんにちは!
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクス(品川・横浜)で作文を教えています。
結果を残した甲子園のスター、その名言とは
明日、8月5日は夏の甲子園が開幕しますね。
1983年から1985年まで、春夏連続5回の甲子園出場という伝説ともいえる記録を残したPL学園。その主役ともいうべきKKコンビ、桑田と清原といえば、私でもよく知ってます!
その甲子園のスター、桑田選手の名言をご紹介しますね。
結果がすべてのプロ野球の世界で22年間生きてきて確信したのは、結果よりもプロセスが大事だということ。
Nunmer685号(2007.8.17)より
すばらしい結果を残した選手が、「結果よりもプロセスが大事」だと言っています。
みなさんはどう思いますか?
「全くそのとおり、過程こそが大事なんだ!」
と思う人もいれば、
「結果を残したからこそ言えるんじゃないか?」
と思う人もいるでしょう。
「納得できる部分もあるけれど、でも、世の中結局結果がすべてじゃないか?」
と思う人もいるでしょう。
そして、そう思う理由もさまざま。
大切なのは 結果?それとも過程?
シンクス東品川教室での今日の作文クラス。
中学生は、「結果と過程のどちらが大切か?」という課題で書いてもらいました。
みなさんの意見はどちらでしょうか?
結果が大切? それとも、過程が大切?
是非の課題の意見文の書き方をもとに、考えてみましょう。
おおまかな流れは次のようになります。
- 是非の主題
- 理由その1
- 理由その2
- 反対意見への理解→是非の主題
それぞれ詳しく解説していきますね。
是非の主題とは
第一段落は是非の主題を書きます。
是非のことばどおり、よいか悪いかのいずれか、自分の立場を明確にするということです。
今回の課題だったら、
- 結果を大切にすることがよい
- 過程を大切にすることがよい
のいずれかの立場をとります。
書き方としては、
私は、結果を大切にすることがよいと思う。
のようになります。
自分の体験を添えて理由を述べよう
第一段落で述べた是非の主題。
どうしてそう思うのか、そこには必ず理由があるはずです。
「なんとなく……」
という場合でさえ、深く掘って行ったら間違いなく明確な理由が出てくるはずです。
その理由を述べていくのが、第2段落と第3段落。
まず、ひとつめの理由を書く第2段落では、自分の体験を必ず添えます。
何事も、口先だけじゃなく、行動が伴ってはじめて誠実さが伝わりますよね。
理由だけではなく、自分の体験談を加えることで、意見に説得力を持たせることができます。
たとえば、過程が大切だという立場を取った場合。
その理由は、
- 積み上げてきた努力とその時間は、決して無駄にはならないからだ
と述べたとします。
そこに、
- 私はバスケ部で毎日練習に明け暮れた。目標を決めて、仲間と協力して、練習に励んできた。顧問の先生に指導されるまま練習していたのではなく、どうしたらうまくなれるのか、どうしたら勝てるのか、もう絞り出せないくらいにアイデアを出し合って練習したものだ。結局、3年の最後の大会では、よい結果を残せなかった。しかし、この大会だけでみたら結果は出せなかったが、これからの人生では、部活での過程はきっと役に立つと思っている。
という体験談を添えたとします。
どうでしょう? 口先だけじゃなく行動も、という理由がわかったかと思います。
ふたつめの理由には、他の人の体験を入れてみよう
さて、第3段落、ふたつめの理由に進みましょう。
ひとつめの理由には、自分の体験を添えました。
ここ、ふたつめの理由には、できるだけ他人の体験を入れてみましょう。
たとえば、両親やきょうだいなど、家族に聞いた体験談。
または、著名人(誰もが認めるスポーツ選手や文化人などがよいでしょう)や歴史上の人物の体験談です。
前もって下調べのできる時間があれば、ネットで検索するという手もあります。(コピペは絶対にダメですよ)
では、具体的に。
ふたつ目の理由を、こんなふうにしましょうか。
- 過程が大切だと思えることは、人生を楽しむ余裕があると思うからだ
そして、他人から聞いた体験談(聞いた話としましょう)を、
- オリンピックの精神「参加することに意義がある」は有名だ。1908年のロンドンオリンピックで、当時のIOC会長がこう言ったそうだ。「勝つことではなく、参加することに意義があるとは、至言である。人生において重要なことは、成功することではなく、努力することである。根本的なことは、征服したかどうかにあるのではなく、よく戦ったかどうかにある。」結果ばかりを追い求めてしまうと、その結果が手に入らなかったとき、結果を奪っていった相手に憎しみや妬みがわいたりする。そうなると、相手の勝利を純粋に称えることはできないだろう。過程を重視し、精一杯やりとげたうえで負けたなら、その経験は人生の財産になると思う。
のようにします。聞いた話をもとに自分の考えも加えてみました。このあたりは、自分が伝えたいことをもとにアレンジしてもかまいません。
最後はまとめ(反対意見への理解→是非の主題)
最後の段落は、全体のまとめです。
まずは、反対意見への理解を書きます。
反対意見への理解とは、自分と対立する意見を主張する人たちへ理解を示すこと。
反対意見への理解はなぜ必要?
では、反対意見への理解をなぜ入れるのでしょうか。
目の前に反対の立場に立つ人がいると想像してみてください。
その人たちに対し、真向から反対を唱えたら、当然険悪なムードになりますよね。
相いれない意見であっても、険悪ムードを避けるコツがあるんです。
それは、反対の意見を認め寄り添うこと。
「そうだね、あなたの言い分もわかるよ」
と、理解を示してあげることなのです。
これを、「反対意見への理解」といいます。
たとえば、過程が大切だという立場をとる場合、反対意見への理解はつぎのようになります。
- たしかに、結果を出さなければなんの意味もないという人の気持ちもわかるが、
- たしかに、結果を出してはじめて認められるという意見にも一理あるが、
再度是非の主題でまとめる
そして、そのあとに再度、是非の主題を書いておしまいです。
- たしかに、結果を出さなければなんの意味もないという人の気持ちもわかるが、しかし、以上の理由から、私は過程こそが大切だと思う。
このようなまとめ方ですね。もちろん、「反対意見への理解→是非の主題」という流れができていれば、多少アレンジを加えても構いません。
参考例
私は、過程を大切にすることがよいと思う。
その理由のひとつめとしては、積み上げてきた努力とその時間は、決して無駄にはならないからだ。私はバスケ部で毎日練習に明け暮れた。目標を決めて、仲間と協力して、練習に励んできた。顧問の先生に指導されるまま練習していたのではなく、どうしたらうまくなれるのか、どうしたら勝てるのか、もう絞り出せないくらいにアイデアを出し合って練習したものだ。結局、3年の最後の大会では、よい結果を残せなかった。しかし、この大会だけでみたら結果は出せなかったが、これからの人生では、部活での過程はきっと役に立つと思っている。
ふたつめの理由としては、過程が大切だと思えることは、人生を楽しむ余裕があると思うからだ。オリンピックの精神「参加することに意義がある」は有名だ。1908年のロンドンオリンピックで、当時のIOC会長がこう言ったそうだ。「勝つことではなく、参加することに意義があるとは、至言である。人生において重要なことは、成功することではなく、努力することである。根本的なことは、征服したかどうかにあるのではなく、よく戦ったかどうかにある。」結果ばかりを追い求めてしまうと、その結果が手に入らなかったとき、結果を奪っていった相手に憎しみや妬みがわいたりする。そうなると、相手の勝利を純粋に称えることはできないだろう。過程を重視し、精一杯やりとげたうえで負けたなら、その経験は人生の財産になると思う。
たしかに、結果を出さなければなんの意味もないという人の気持ちもわかるが、しかし、以上の理由から、私は過程こそが大切だと思う。
YouTubeの解説もあります。みてね!