感想文の書き方

さぴあ作文コンクール課題図書「まっすぐな地平線」で感想文を書く

みなさん、こんにちは!

学習塾シンクスで作文を教えている菅野恭子です。

2018年の課題図書で感想文を書いてみることをお伝えしてきましたが、今回は、SAPIX小学部が主催する「さぴあ作文コンクール」の課題図書「まっすぐな地平線」で感想文を書くなら……ということで、感想文の書き方を考えていきたいと思います。

サピックスといえば、毎年難関私立中学への合格者を出すお受験塾ですが、そのサピックスで作文コンクールを開催しているようです。サピックス通学生限定のコンクールなのか、サピックスの生徒以外も応募できるのかは、サピックスのサイトをみた限りではわかりませんでした。

そもそも、私は個人的に、中学受験にはなんの興味もないのですが(言ってしまった 笑)、本屋さんでたまたま、このようなPOPを見かけたのです。

手に取ってみると、意外にもすらすら読める易しい内容。

「空気を読む」って、どういう意味ですか?

という帯にも興味を持ちました。

 

というわけで、この本で感想文を書くなら……を解説してみたいと思ったのです。

「まっすぐな地平線」ってどんなお話?

この本のあらすじは、すでにさぴあ作文コンクールのサイト内に掲載されています。

主人公の悠介は6年生。カメラマンの父と、出版社に勤める母がいるが、6年生になってすぐ、父は家を出て行った。今は母と二人暮らし。
夏休みに入ってすぐ、悠介のもとにエアメールが届く。それは、中国に住むミンミンという女性からの手紙で、日本に行くから成田空港に迎えにきてくれ、と書かれていた。ミンミンは、3年前に悠介が父の撮影旅行にくっついて中国に行ったときに知り合った女性だった。

ミンミンの来日で、暇だと思っていた悠介の夏休みは、忘れられない夏になります。

悠介とミンミン、悠介と母、悠介の父と母、日本と中国……。

理解しあうにはどうしたらよいのか。そんなことを考えるきっかけになる一冊になるかもしれません。

「まっすぐな地平線」登場人物の特徴

主人公 悠介

運動はあまり好きではなく、マンガとゲームで時間をつぶす。面倒なことには関わりたくない。自分の意見もはっきり主張しない少年。

悠介の父

カメラマン。名前も知られていないような国の素朴な人たちの写真を撮る。「いい顔」に隠された秘密を一生かかって解き明かそうと考えているような人間味あふれる人。

悠介の母

仕事が忙しく、悠介にもあまり構わない。構いたくても余裕がなく、それがまたストレスになっている様子。他人に対して許容範囲が狭い。ちょっとしたことでイライラしがち。

ミンミン

悠介の父がミンミンの顔写真に「ひまわり」とタイトルをつけるような明るい人。感情表現がストレートすぎて、周囲から浮く場面も多々あり。

「まっすぐな地平線」のみどころ

育ってきた環境が違うと、考え方や感じ方も全く違う。

そう訴えかける場面が随所に登場します。

それは、悠介とミンミンだったり、日本の小麦粉と中国の小麦粉だったり、悠介の父と母だったり、はたまた日本と中国だったり……。

それぞれが違う個性。

だから、ぶつかることも当然あるけれど、理解しあうこともきっとできる。

そんなメッセージが伝わってくると思います。

また、悠介とミンミンが海に行ったときのこと。

悠介のクラスメイトにからまれたときに、空気を読むという悠介の言葉に疑問を呈します。

「空気を読む」という日本的な習慣について考えさせられる場面も見どころと言えそうです。

感想文の流れ

大きな構成としては、

  1. あらすじの紹介
  2. ネタ1
  3. ネタ2
  4. まとめ

という流れで進めていきます。

ネタ=【心に残った場面・似た経験・聞いた話・もし~だったら】

ネタというのは、心に残った場面を核にして、自分自身の似た経験や、身近な人から聞いた話、ニュースや本またはテレビなどで得た知識、もし~だったらという想像した話などをつけくわえていきます。

このような図をイメージしていただければよいでしょう。

三つすべて揃えば、内容もぐっと充実してきますが、最低でもふたつ入れることができるようにしましょう。

「もし~だったら」の想像した話は、比較的簡単ですから、ぜひ使ってみてくっださい。

たとえば、

もし私が悠介だったら……

と、悠介の立場だったら、そう考えてみてください。

「まっすぐな地平線」でのネタ作り 参考例

この物語を読んでいちばん印象に残ったのは、「空気を読む」ことについてミンミンが怒った場面だ。(心に残った場面をあげる)

私は、どちらかというと自分は空気を読むことに長けていると思う。たとえば、同じクラスで空気を読めない発言をする子がいると、自分がハラハラしてしまうくらいだ。(自分の似た経験

私の母は、私とは反対に、ミンミンのように空気を読むってなに?というような人だ。あえて空気を読まないようにしているのかもしれない。周りに人がいると、そんな母にハラハラしてしまう私は、「なんでお母さんは空気が読めないの?」と聞いたことがある。母は、「そんなの読んでどうなるっていうの?私は私のやりたいようにやるだけよ」と答えた。(聞いた話

もし私が悠介だったら、やはり、この場面では空気読まなきゃと思ったことだろう。(もし~だったら

最後にまとめの部分

最後の部分は全体のまとめです。

いちばん心に残った部分から、体験談、聞いた話と、すべてに関連する感想が入ることを目指してみましょう。

これがクリアできると、一貫した内容の感想文になります。

たとえば、先ほどの参考例のようなネタを使う場合、「空気を読む」という部分に焦点をあてています。ですから、まとめの部分でも、「空気を読む」ということと、違う個性を持つ者同士がどう理解しあうか、というこの本のテーマをうまく掛け合わせてまとめることができるとよさそうです。

どこまでも深堀りできる一冊

高学年ともなると、両親の不仲にも敏感になってきます。

この本のように、父と母の価値観の違いも理解できるようになるでしょう。

実際に、子どもがいるからという理由で、形だけの夫婦を演じている夫婦も多いことでしょう。

そんな両親の姿を、子ども目線で冷静に見つめている場面も多いので、そのあたりに共感する子もいると思います。

親としては、そういったことを書かれるのはどうも…という気持ちになるかもしれませんが、もしもお子さんが書きたいのでしたら、自由にさせてあげるのがよいのではないかと個人的には思います。

また、社会問題や国際問題について興味のある子でしたら、日本と中国の歴史や横たわる溝について書くかもしれません。

いまの自分がどんなことを考えているのか、それを素直に表現する貴重な機会です。いろいろと制限せず、書きたいことを書かせてみてはいかがでしょうか。

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ABOUT ME
菅野恭子
筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒。 作文指導に定評のある言葉の森にて指導に携わる。 現在、言葉の森の教材・指導法にてシンクス東品川教室・シンクス上永谷教室・シンクス阪東橋教室で作文教室開講中。 2000年2001年2002年生まれの三兄弟の母。