みなさん、こんにちは!
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。
低学年の生徒さんが学ぶ項目のひとつに、
名前・数字を詳しく書く
というものがあります。
たとえば、「病院に行きました」だったら、「中央病院に行きました」と名前まで入れるようにします。また、「チョコレートをたくさん買いました」だとしたら「チョコレートを8個買いました」のように、何個というところまで書いてみます。
今回は、なぜ数字を詳しく書く習慣をつけておくとよいのか、お伝えしたいと思います。
”たくさん“はあいまい?
ちょっと例文をあげてみましょう。
お年玉をたくさんもらった。
さて、みなさんは、この文を読んでどう思いましたか?
「いいなあ、たくさんもらったんだ!」かな?
じゃあ、たくさんってどのくらいの金額を言うのでしょう?
一万円でたくさんだと思う人もいれば、十万円でたくさんだと思う人もいます。中には千円でもたくさんだと思う人もいるかもしれません。
「たくさん」という表現は、きわめてあいまいで、相対的なものなのです。
低学年からの習慣が成長してから役立つ
数量を表す表現といえば、ほかにも
- 多い
- 少ない
- おおぜい
- いっぱい
など、手軽に使ってしまうものがあります。
これらは、事実を述べるには主観的になってしまいがちです。
なんとなく詳しく書いたつもりかもしれませんが、実は、そうではないのです。
手軽に使えるうえに、なんとなく詳しく書いたつもりになってしまうがゆえに、このような記述に慣れてしまうと、なかなか直すことができません。誰かに指摘されてはじめて、物事を正確に伝えるには不十分だと気付くのではないでしょうか。
ですから、低学年のうちから数字を詳しく書くことを習慣にしておくことが望ましいのです。
特に、論文やレポート、いわゆるアカデミックライティングと呼ばれるものは、詳細かつ正確なデータが求められます。また、社会人になってからも、企画書や報告書などのビジネス文書にも必要なのは言うまでもありません。
落合陽一さんも、アカデミックライティングの重要性について述べていました。現在の学校教育においては、アカデミックライティングの指導が十分になされていないため、いざレポートや論文を書く段階になり苦労するとも。
大人の視点で考えたら、数字を詳しく入れるという項目は、さほど難しく感じません。ですから、なんの意味があるのか疑問に思われる方もいらっしゃるようです。
でも、長い目で見ると、とても大切な役割があるのです。
数字をしっかり入れることができたら、そこは立派な褒めポイントですよ!