作文の書き方

受験作文の書き方(参考例付き) 私の長所

みなさん、こんにちは。

作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。

 

年が明けました。受験生は、いよいよ実感がわいてきたことでしょう。

 

今日は、受験作文の書き方として、「私の長所」について、解説します。

作文試験がない場合でも、面接でよく聞かれるテーマですから、参考にしてみてくださいね。

受験ではどのように出題されるか気になる方もいらっしゃると思うので、参考までに、いくつか過去問をあげておきますね。

あなたのよいところはどのようなところにあると思いますか。また、それをこれからどのように生かしたいと思いますか。あなたが経験したことや中学で学んだことをふまえて具体的に述べなさい。(都立第三商業高校)

あなたは自分の長所で自信をもっている点はどういうところだと考えますか。またその長所を発揮した経験があればそのことを、ない場合は、どういう場面で自分の長所を生かせると思うかを、具体的に述べなさい。(都立晴海総合高校)

また、この解説を、手っ取り早く知りたい方はYouTubeでの解説を観てね。

 

Contents

自分の長所、すらすら言えますか?

さて、「私の長所」。

「あなたの長所を教えてください」

と問いかけられた場合、すらすら言うことはできますか?

はい、はい、はい、はい! と元気よく言える人の方が、きっと少ないことでしょう。

屈託なく自分の良さをアピールできたら素晴らしいですね。

そのためには、一度、自分についてじっくり見つめる時間を持つことも必要です。

また、周囲の人、家族や友人などにもアドバイスをもらえるといいですね。

客観的な意見が入ることで、自分自身をさまざまな角度から見ることができます。

長所を分析してみよう

考えられる長所は、すべてメモしてみましょう。

  • リーダーシップがある
  • ムードメーカー
  • 計画性がある
  • 好奇心旺盛
  • 根気強い
  • ルールを守る
  • 思いやりがある
  • 行動力がある
  • 協調性がある

このように箇条書きにしてみましょう。

そして、ひとつひとつ、その長所を裏付ける体験がないか思い出してみてください。

たとえば、リーダーシップがあるという長所だとしたら、

駅伝大会に出てみたくて、友達を誘って急遽チームを作った。どうせ出るならクラスのみんなも巻き込んでみようと考え、担任の先生を説得し、チームに加えた。すると、クラスの中に賛同者が増えて、数チームで参加することになった。

などの、自分がリーダーシップをとって物事を進めた実例を思い出していきます。

長所としてあげてはみたものの、実例が思い浮かばないというものは、アピール力に欠けます。

誰もが納得するような実例、それもふたつ以上の実例を述べることができる長所を残してみてください。

どうでしょうか?

最終的に残った長所について、書いていきましょう。

「私の長所」書き方の流れ

四段落構成で書いていきます。また、文末は常体(だ、である)で

大まかな流れは、次のとおりです。

  1. 私の長所は、〇〇だ。
  2. 長所にまつわるエピソード1
  3. 長所にまつわるエピソード2
  4. 今後の展望

では、各段落について、それぞれ説明していきますね。

第一段落 長所の紹介

まずは、これから話題にする「私の長所」について紹介します。

私の長所は、リーダーシップが取れるところだ。

このように、ズバリ、結論から行きましょう。

そして、その長所を裏付ける体験について、続く第二段落と第三段落で述べていきます。

第二段落 長所を裏付ける実例その1

この段落では、リーダーシップが取れるという長所について、実際に体験したことを書いていきます。

中1のときのことだ。区の駅伝大会が開催されることを知った私は、駅伝に出てみたくなった。駅伝は、自分ひとりでは出場できない。そこで、友達を誘って急遽チームを作ることを考えた。どうせ出るならクラスのみんなも巻き込んでみようと考え、担任の先生を説得し、チームに加えた。すると、クラスの中に賛同者が増えて、数チームで参加することになった。自分たちの意志で参加した行事は、学校行事とは比べものにならないほど思い出に残った。リーダーシップを発揮してみんなを巻き込んだことが、自分自身の成長にもつながったと感じている。

このように、長所につながる実例を丁寧に書いていきます。

第三段落 長所を裏付ける実例その2

続く第三段落でも、もうひとつの体験を書きます。

リーダーシップを取れるという長所ですが、長所と短所は紙一重。

リーダーシップが取れる点も、人によっては我が強いと感じるかもしれません。

短所の面が強く出すぎて失敗してしまったことを書くのもよいでしょう。

その場合、今後の展望にうまくつなげていくと好感度大です。

たとえば、

思えば、私は、幼いころからリーダーシップがある方だった。しかし、小学生のころは、まだ周りを見る余裕もなく、ただの我が強いだけという場合もあったと思う。クラスメイトの中には、「〇〇君はいつもみんなが自分の思い通りになると思ってる」と口にする子もいた。当時の未熟な自分を思い出すと恥ずかしいが、そんなことがあったおかげで、自分が持つリーダーシップを取れるという性質を、みんなの意見を尊重しながら発揮するにはどうしたらよいか、心を配れるようになれた。

など、過去の失敗を乗り越えて、今は成長したという内容もよいでしょう。

第四段落 今後の展望でまとめる

最後の段落は全体のまとめです。

受験作文ですから、今後、入学後の高校生活やその後の人生において、どのように長所を生かしていこうと考えているかという今後の展望を、いわば決意表明のようなイメージで考えてみましょう。

リーダーシップが取れることは、私の長所だ。しかし、気を緩めるとリーダーシップは我が強いに反転してしまう。そのためにも、リーダーたるにふさわしい人であるよう、高校生活を通して、自分の人格を磨いていきたい。その場にいる人ひとりひとりへ配慮もできる、真のリーダーになりたいと考えている。

いかがでしょうか。

イメージできたでしょうか?

長所について考えておくと面接でも安心

 

受験においても、また、将来の就職試験などでも、長所についは本当によく聞かれます。

長所がほかの人とかぶってしまうことも多く、アピールの仕方で差別化する必要があります。

そのためにも、長所と体験をセットでアピールできるようにしておきましょう。

自信を持って面接に臨めること間違いなしです。

ABOUT ME
きょうこ先生
2003年より作文指導に携わる。東京(品川)横浜にて対面指導。 現在はオンラインをメインに、愛媛県松山市にて対面指導を行っている。長く続けてくださる生徒さんが多いのが自慢!(平均5〜6年。最長は13年!) 作文がスラスラ書けるようになった、国語の成績がぐ〜んと上がったという声はもちろんのこと、自分の意見が言えるようになった、コミュニケーション力が上がった、親子の会話が増えたなどの声も多くいただく。