みなさん、こんにちは!
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。
こちらの記事で受験作文の練習用テーマを挙げました。
今回は、「いちばん好きな季節」について、書き方の解説をしていきます。
簡単そうに思えるテーマですが、都立広尾高校の平成29年度作文で出題されたテーマでもあります。
正式には、以下のような出題でした。
「春夏秋冬からひとつ、あなたの好きな季節を選び、あなたの体験にも触れながら理由を含めて述べなさい」
実際に高校入試で出題される内容です。もしかしたら、今年度も、どこかの高校で同様の出題があってもおかしくありませんね。
では、早速説明を始めましょう。
まずは好きな季節を選ぼう
最初にやることは、好きな季節を選ぶことです。
春夏秋冬、それぞれ魅力があり、迷うところですが、ひとつだけ選んでくださいね。
選べましたか?
では、選べた人に質問です。
どうして、その季節を選んだの?
なんとなく好きと、感覚で選んだ人もいると思いますが、必ず明確な理由を用意しましょう。
たとえば、春だとしたら、
なにもかもこれから芽生えていくような真新しい気持ちになれるから、などですね。
好きな季節とその理由を用意することができたら、次のステップに進みましょう。
つぎに構成を確認しておこう
書く材料が決まったら、つぎは構成の確認です。
四段落構成または三段落構成で書いていきましょう。
四段落構成の場合
- 私の好きな季節は〇だ。
- 理由その1+体験
- 理由その2+体験
- まとめ
三段落構成の場合
- 私の好きな季節は〇だ。
- 理由+体験
- まとめ
四段落構成と三段落構成の違いは、理由をふたつ入れるか、または、ひとつだけにするか、というところですね。体験談を書く練習をしたい人は、迷わず理由をふたつ書く四段落構成にチャレンジしましょう!
第一段落の書き方
第一段落は、ずばり、自分のいちばん好きな季節は〇だと述べます。
「私がいちばん好きな季節は、春だ。」
このような一文が骨です。ここに、季節についてのイメージなどを肉付けしてもよいです。
たとえば、
「寒い冬が終わり、心も体もほっと緩んでくる春。あちこちに色とりどりの花が咲く春。私がいちばん好きな季節は、春だ。」
という感じです。五感を刺激するような表現を入れるのがおすすめ。
第二段落・第三段落の書き方
第二段落も第三段落も(四段落構成にする人は)、好きな季節を選んだ理由と、その理由を裏付ける体験談を書いていきましょう。
好きな季節に春を選んだとして、その理由を「なにもかもこれから芽生えていくような真新しい気持ちになれるから」とした場合、その理由にまつわる体験談を添えます。
春が好きな理由のひとつめは、なにもかもこれから芽生えていくような真新しい気持ちになれるからだ。
たとえば、つぎのような体験を添えます。
春は、新しい学年になる。新年に一年の目標を決める人が多いが、私が目標を決めるのは、新学年を迎える春だ。生まれ変わったような気持ちで、新しい目標に向けて俄然意欲がわく。そのわくわくする気持ちが好きだ。
四段落構成で書く場合、もうひとつの理由と体験を入れる必要があります。
同じく春を選んだ場合で考えてみましょうか。
ふたつめの理由としては、新しい環境でのほどよい緊張感が心地いいからだ。クラスの顔ぶれも変わり、担任の先生も変わる春は、ぴりっとした緊張感が漂っている。その緊張感が、さらに私のやる気を刺激する。慣れ親しんだ環境というのも悪くないが、緊張感がある方が手抜きせず何事にも取り組める。
イメージわきましたか?
好きな季節とその理由、その理由を裏付ける体験をひとつのストーリーにしてみてくださいね。
では、最後のまとめにいきましょう。
第四(三)段落まとめの書き方
最後のまとめは、理由と体験をさらに深めた内容で今後の展望を述べるのがベスト。
またまた先ほどの春で考えてみましょう。受験を控えている場合、春には高校生。(高校受験の場合は、ですが)中学とはまた違く、新しい環境で心機一転頑張ることになりますね。
そういった状況をふまえてまとめてみましょう。
次に私の好きな春がやってくるころには、私は高校生だ。全く新しい環境で、一からスタートを切ることになる。生まれ変わった新鮮な気持ちで春を迎えることを想像すると、それだけでわくわくと心が躍るようだ。〇〇高校で(志望校)最高の春を満喫したい。