みなさん、こんにちは。
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。
ゴールデンウィークも残りわずか。みなさん楽しいお休みを過ごしていらっしゃることでしょう。
私は、家の片づけをしました。
いつも、懐かしいものを発見し、そこで手が止まってしまいます。
今回は、子どもが小学生のときに書いた作文が出てきて、ついつい読み始めてしまいました。
どんな作文かというと。。。。
ちょっと読んでいただけると嬉しいです。
ばけものチップ
ぼくはせみをいっしょうけんめいつかまえました。だけどチップにたべられてしまいました。チップはせみをいきたままたべてしまいました。まるでばけもののようでした。そのひチップはごはんぬきでした。ばつです。チップのばかやろうとおもいました。
セミを捕まえてきた三男。
「明日学校に持って行ってみんなに見せるんだ!」
と意気揚々としていました。待ちきれないのか、虫かごから出したところ、セミは部屋の中を飛び回り、なんと犬(チップ)の餌を入れる器に入りました。チップはすかさずセミを食べてしまったのです。
三男は、チップのバカ、チップのバカと、それは怒ったのでした。
そして書いた作文が、「ばけものチップ」です。
拙い文章ではあるものの、三男の「チップのバカ!」という怒りが上手に表現されていると思います。
私たちは毎日、いろいろなことを体験し、いろいろなことを感じて生きています。
時々、作文に書くネタを作るためにお出かけされる親御さんもいらっしゃるのですが、実は日常にいくらでもネタは転がっています。
「書くことなんにもない」
という子は、その方法を知らないだけなのです。
小さな子どもは、
「ねえ、ママ、聞いて聞いて」
と、いくらでも話しかけてきますよね。
大人はみな忙しいです。ゆっくり聞いてあげる時間も惜しいくらいに、スケジュールに追われて生きています。
「あとでね」
そう軽い気持ちでスルーしてしまうことも多いでしょう。
スルーされることを繰り返すと、子どもは親の事情を慮って、「聞いて聞いて」を遠慮するようになるのではないかと思います。
「聞いて聞いて」を内に秘め発する機会がなくなると、必然的に、人に伝えたい気持ちも減っていくような気がしています。
でも、「聞いて聞いて」がなくなるわけではありません。
子どもはみな(大人もそうでしょうが)自分の話を聞いてほしいのです。
実際に指導の際に生徒さんのお話しを聞いていると、いつまでも止まらないくらいに話す子が少なくありません。
日記の宿題に困る子に代表される日常のひとこまについて書くことがないという子は、まずは、
- すごくうれしかったから聞いて!
- ほんとに頭にきた! これ、どう思う?
- なんか元気でないんだよね。。。
といった人に伝えたいことを書いてみることをオススメします。
というわけで、
「ゴールデンウィークはどこにも行かなかったから書くことない!」
なんてことはありませんよ~。