みなさん、こんにちは!
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。
土曜日はシンクス東品川教室の作文クラスの日。
今日もみんな熱心に作文に取り組みました。
名言が飛び出たすばらしい感想文
今日は、小6の女の子が素晴らしい感想文を書いてくれました。
課題の長文は、横浜共立中の過去問から。要約すると次のような内容の文章です。
イギリス人はユーモアを大切にする。それに比べ、日本人は、ユーモアよりも真面目であることが重要視される。第二次世界大戦時、爆撃を受けたロンドンのデパートが、
「平常通り営業。本日より入口を拡張しました」
という看板を出した実話があるが、もし、日本でこんなことをしたら、不謹慎だと叩かれるに違いない。ユーモアは、ハンドルに遊びが必要なことと同様、人生に欠かせないものだ。
ユーモアには、それを受けとる感性の装置が必要で、頭がよくても知識を集めても、どうにもならないセンスの問題でもある。
彼女は、この、「感性の装置」に注目しました。
小6の感想文の書き方は、つぎのように指導しています。
- 要約
- 似た話1(自分の体験を用いて)
- 似た話2または聞いた話
- 一般化の主題を用いてまとめ
彼女は、第二段落の似た話1につぎのような話題を書いてくれました。
小5のときの担任の先生は、「ユーモアを受け取る感性の装置」を備えている。いつも明るく、みんなと楽しんでくれる。笑顔ではきはきと私たちに接してくれる。私たちのユーモアも、脳と一緒に育ててくれた。
そして、続く第三段落。似た話2には、興味深いことを書いてくれました。
日本人は、ユーモアのセンスが「ない」のではなく「忘れている」のだと思う。楽しいことはたくさんあるから忘れてしまうが、つらいことやいやなことは強く覚えている。だから、強く覚えていることを繰り返さないために、真面目になってしまうのだ。
最後の第四段落、このまとめが、さらに素晴らしい内容です。
日本人にとってユーモアや笑いとは、その人がどれだけ楽しいことをしたかどうかだ。楽しいことをすればするほど、その後の人生を変えることができる。いっぱい笑った者勝ちだ。
彼女は、終始一貫してユーモアを受け取る感性の装置について考えています。
このように、しっかり焦点をあてる部分を絞ったのは大変よいことです。
そして、最後の段落の
いっぱい笑った者勝ちだ
には、前向きな彼女らしさが詰まっています。
自分の考えを知るにはアウトプットが必要
実は、感想文を書く前に、彼女の考えを深く見つめています。
事前の対話で、どこに興味があるのか、それはどうしてか、ということを探っているので、実際に書き始める段階では、かなり考えが絞られていると思います。
自分はなにを考えているのか、それを理解するには、アウトプットすることが必要です。
このアウトプットに最適なのが、書くこと。
子どもたちの様子を見ていて、そう実感しています。
作文の学習は、自分自身を見つめるのにぴったり
自分の考えを知り、それをまとめる。
なかなか難しいことです。なんとなくこうなんだけど……というぼんやりした状態を、人に伝わるように明確にしていくのは、想像以上に大変です。
これからの時代、書く技術と、自分の考えを伝えるコミュニケーション術は、さらに必要になると思います。
書くテクニックを学ぶ以上に、考えるテクニックを学べるのが作文の勉強。
シンクスでは、随時体験学習を受け付けております。
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