みなさん、こんにちは!
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。
ここ数年、公立の中高一貫校が人気です。
横浜市の場合、
南高等学校附属中が5.34倍、横浜サイエンスフロンティア高等学校附属中が7.08倍(2018年度のデータ 横浜市教育委員会発表)という高倍率。
なかなかの難関ですね。
公立中高一貫校の場合、かなりの確率で作文試験があります。
長文を読み自分の意見を述べるもの、データを読み解き自分の意見を述べるものなど、出題パターンはいくつかあるものの、
自分の意見をわかりやすく伝える能力
が必要です。
まだ低学年だけれど、ゆくゆくは、中高一貫校に進んでくれたらいいなあ……
少しでもそんな未来を考えている方に、低学年からご家庭でできる作文対策をお伝えしたいと思います。
文章と仲良くなる
読書でも、教科書の音読でも、読み聞かせでも、形は問いません。
とにかく、文章に親しむようにしましょう。
出題される長文の内容を、短時間でしっかり把握する必要があります。
文章を読むのが苦手では、なかなか太刀打ちできません。
小さいうちから文章に慣れておくことはもちろんなのですが、読書の恩恵はそれだけではありません。
自分以外のいろいろな考え、思いに触れる
小6までの11年~12年での経験だけでは、「自分の考え」を確立するのは難しいと思います。主観的なものになってしまうのは否めませんし、そもそも、自分自身の世界が、とても狭いものなのです。
そこを補ってくれるのが、本の世界。自分以外の人の価値観や感性に触れることは、子どもの引き出しを増やしてくれます。
たとえば、偏差値があることで、自分の成績がどの程度のものなのかを知ることができますね。
自分というものを知るには、他者と比較する必要があります。
- 人と比べておっとりしている
- 人と比べて背が高い
- 人と比べてよく食べる
- 人と比べて声が大きい
などなど、すべて、他者がいて初めて自分の特徴がわかると思いませんか?
自分の意見も同じです。
他者の意見と比べることで初めて、「わお、私って過激だったんだ!」と理解したりします(笑)
そう考えると、できるだけいろいろな価値観に触れた方が、自分の意見を把握しやすいのです。
大人との対話を楽しむ
文章に親しむことのほかにもうひとつ、大切なことがあります。
それは、大人との対話をどんどんしてほしいということ。
親子での対話はもちろん、おじいちゃんおばあちゃんでもいいですね。
ちょっと自慢ですが、私の作文指導では、かなりいろいろなことをお話しします。途中、考えさせる質問も交えながら、自分はどう考えているのか、自分はどう思ったか、ということを話してもらいます。話すことで、芋づる式に考えがまとまってくることも多々あります。
というわけで、作文の学習などで、指導者と対話をするのもおすすめです。
大人との対話といっても、ただの日常会話ではありません。
「どう思う?
「これってどうしたらいいかな?」
「なんでこれがいいって思った?」
など、自分の考えや選択の理由などを話すことができるような対話がよいですね。
自分の意見を述べる第一歩になります。
余談ではありますが、子どもの意見にダメ出しするのが習慣になってしまうと、子どもは意見を言うことを放棄してしまいます。
そうなってしまうと、高学年あたりになって訓練しても、思うように意見を述べることが難しい状況になってしまいます。
親の意向に沿わない意見が返ってきたとしても、
「ふうん、そう思ったんだね。もうちょっと詳しく聞かせて」
というように、意見を受け止めて、さらにその思いを探っていくようにしてくださいね。
低学年からできる中高一貫校作文対策:まとめ
今回は、低学年からできる中高一貫校作文対策として、
- 本を読むこと=いろいろな価値観に触れる
- 大人との対話を楽しむこと
をお伝えしました。
これは、日常の中に当たり前のように組み入れてしまえば、そんなに難しいことではありません。
子どもだからと難しい話を避けるのではなく、小さなオトナとして扱うとよいでしょう。会話を楽しめるようになれば、もしかしたら、子育て中に話し相手がいないというお母さんの小さなストレスも解消するかもしれません。
私は、子どもとの会話が、よい気分転換になっています。
ぜひ習慣にしてみてくださいね。