みなさん、こんにちは!
作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。
感想文には似た体験を入れよう
3年生から学ぶ感想文。
感想文には必ず自分自身の似た体験を入れるよう指導しています。
初めて感想文の指導を受ける子は、
「似た体験って?」
と不思議そうな顔をします。
感想を書くのになぜ? となるのも無理はありません。
ところが、この似た体験が、感想文には欠かせません。個人的な体験を入れることで、自分ならではの感想文が書けるのです。
ゆるいスタートでOK
いちばん理想的なのは、自分が取り上げたテーマに似た体験を書くこと。
自分が取り上げたテーマ、ということについて解説しないといけませんね。
まず、感想文のはじめに、いちばん印象に残った部分を挙げます。その部分に似た体験ということです。
ただし、あくまでいちばん理想的なのは……であって、実際は、そこまで高度なことを求めなくても大丈夫です。
対象の長文と、かする程度の似た話でも構いません。似ていると思った体験ならOK。そのくらいのゆるいレベルで練習していくのが負担にならないコツです。
一例をご紹介します
今日は、文句なしのテーマに合致する似た体験を書いてくれた生徒さんがいました。
長文の内容はというと、必要以上に農薬に頼る稲作への疑問から農薬使用を減らす活動が生まれたという実話。
この生徒さんは、まず、いちばん興味を持った場面をつぎのように取り上げました。
このお話を読んでいちばん心をうごかされたのは農薬のこわさに都市住民が気づいたところです。
そして、似た体験をこう書いたのです。
ぼくにもにた話があります。ぼくのおばあちゃんはむのうやくだから虫がたくさんいるかわりにおばあちゃんのやさいはスーパーのやさいとは、ぜんぜんちがくてやさいのほんらいのあまみがぬけていません。
説明不足な点も見られますが、それよりなにより、この話題を持ってきたことに花まるをつけたいですね。どうでしょうか。この子にしか書けない似た体験ではないでしょうか。
はじめに彼が選んだ場所は、農薬の怖さでした。 そして、似た体験は、おばあちゃんが作る無農薬の野菜のおいしさです。見事に「農薬」に焦点を当てたこの流れ、大成功ですよね。
習うより慣れよ
感想文に取り組むときは、似た体験がないかどうか、私もいろいろな角度から話を聞いて、最適な話題を引き出すようにしています。感想文を書く経験を積んでくると、今回の彼のように、自分でぴったりな話題を探し出すことができるようになります。
ですから、書き慣れるまでは、テーマに合わない似た体験でもよいのです。何度も書くことでコツをつかめるようになります。
中には、厳しく指摘してほしいという保護者の方もいらっしゃいます。でも、厳しい添削ではコツはつかめないのです。コツをつかむには、添削よりも実際に自分の頭で考え手を動かすことに尽きます。
感想文も、習うより慣れよ、なのです。