作文の書き方

【中学生の意見文】今を大切に生きるか、未来のために生きるか

みなさん、こんにちは!

作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。

 

先週、中学生が取り組んだ課題の長文は、端的に言うと

現在の中には「予定された未来」も含まれる。本当の未来とは何の予定もない未来である。現代社会は、子供たちの「定まらない未来」を奪っているのではないか。

というもの。

予定された未来というのは、たとえば、来年の3月に海外旅行に行くというような具体的な予定です。パスポートを持っていない場合は、それまでにパスポートを取ったり、持ち物を用意したりという準備をしますよね。

でも、本来の未来というのは、まっさらな白紙の状態のように、何が起こるかわからないもの。ああすればこうなる、という式がなりたたないものなのです。

それなのに、小学校、中学校時代には、

「よい高校へ入るためには、いま勉強しておかないと」

そして高校に入ったら、

「よい大学に入るためには、いま勉強しておかないと」

というように、常に未来への不安をもとにして「今」を生きているのが、現代の子どもたち。

長文は、このような

「ああすればこうなる」

と、未来のために今この瞬間を生きていない状態は、果たしてよいことなのだろうか? と疑問を呈しています。

今というこの瞬間を生きるか、今を未来のために生きるか、あなたはどちらがよいと思いますか?

今回は、このテーマで意見文の書き方を解説していきます。

意見文の書き方の流れを抑えておこう

今回のテーマでは、

「今この瞬間を大切に生きることがよい」

または、

「今を未来の準備のために生きることがよい」

のいずれかが主題になりそうです。

基本的に四段落構成です。

  1. 是非の主題(~はよい or  ~は悪い)
  2. 理由その1 + 体験談
  3. 理由その2 + 体験談 または 聞いた話
  4. 反対意見への理解 → 是非の主題

このような流れになります。

よい? 悪い? 主題を決めよう

まずは、第一段落からスタート。

主題を決めましょう。

先ほどお伝えしたように、

「今この瞬間を大切に生きることがよい」

または、

「今を未来の準備のために生きることがよい」

のいずれかで、自分の考えを述べます。

あなたはどちらに共感しますか?

書き方の例

私は、今この瞬間を大切に生きることがよいと考える。

どうしてその主題を選んだのか? 理由をあげてみよう

主題が決まったら、その主題を主張する理由をふたつ提示します。

今を生きることがよいか、それとも、今を未来の準備に生きるのがよいか。

どちらかを選択するにあたって、その理由を思い浮かべたと思います。

なんとなく選んだという人は、じっくりその理由を考えてみましょう。

たとえば、「今を生きることがよい」を選んだ場合。

  • 今しかできないことがあるから
  • 今、いろいろ我慢しても、思うような未来になるとは限らないから
  • 冒険ができない人生なんてなんの面白みもないから

などなど、いろいろな理由が浮かんできます。

逆に、「今を未来の準備のために生きるのがよい」を選んだ場合。

  • よい人生を歩むためにはしっかりと準備することが大切だから
  • 目標を決めることはよいことだから

などが考えられそうです。

そして、理由には、必ずその理由を裏付ける自分自身の体験を添えましょう。

理由だけでは不十分です。というのも、実際に体験したことの中から導き出した理由は、大変説得力があります。また、体験談の中に書き手らしさが表れます。

今までの経験の中を探り、必ず体験談を入れるようにしましょう。

たとえば…

その理由のひとつめとしては、どんなに完璧な計画を立てても、計画通りに行くとは限らないからだ。私は、小学生のころはプロのサッカー選手を夢見て、毎日毎日練習に明け暮れていた。休みの日は一日もなかったくらいだ。しかし、中学に入ってすぐ、大きなケガをしてしまい、サッカーをあきらめるしかなかった。大好きなサッカーに明け暮れた小学生時代を悔やんでいないといえばうそになる。小学生のときにしかできなかったことが、ほかにもあったのではないかと思うときもある。計画どおりにいかなかったから余計に、今を犠牲にしていたのではないかと思うのだ。

このように、自分自身の体験が入ることで、冒頭の理由に重みが出ます。

同様に、ふたつめの理由も体験を添えて述べます。ふたつめの理由のあとは、自分自身の体験でもよいですし、家族や友人から聞いた話、また、誰もが知っている偉人の話などでもよいでしょう。

第二段落では、ひとつめの理由を、第三段落では、ふたつめの理由を書いていきます。

最後のまとめはこう書く!

最後の第四段落は、反対意見へ理解を示し、再度主題を述べます。

反対意見への理解とは、自分が立てた主題と反対の立場の意見に理解を示してあげることです。

よいか、それとも悪いかという二者択一のテーマの場合、自分の意見と対立する意見があるわけです。

たしかに、〇〇は悪いという意見も理解できるが

このような書き方で、ひとこと理解を示すとよいでしょう。

そのあとで、再度、第一段落で述べた主題を繰り返します。

適宜言葉を補いながら書いていきましょう。

書き方の例

たしかに、未来のために準備をすることも大切だが、未来はまっさらな白紙のようなものだ。どんなに準備をしてもそのとおりにはならないし、逆に、どんな未来でも作り出せると考えるほうが楽しい。だから、私は、今この瞬間を大切に生きることがよいと考える。

自分はどうしたいのか、考えるきっかけに

未来のために準備をすることは、決して悪いことではありません。

目標のために努力するのは、一般的によいこととされますものね。

ところが、そのために今が犠牲になってしまうのは問題でしょう。

だからといって、今さえよければいいと刹那的になるのもまた問題です。

自分は今、どのような状態にいるのかを把握したうえで、自分はどうしたいのか、じっくり考える機会になるといいなあと願う課題でもあります。

ABOUT ME
菅野恭子
筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒。 作文指導に定評のある言葉の森にて指導に携わる。 現在、言葉の森の教材・指導法にてシンクス東品川教室・シンクス上永谷教室・シンクス阪東橋教室で作文教室開講中。 2000年2001年2002年生まれの三兄弟の母。