作文の書き方

人権作文の書き方

人権って?画像

みなさん、こんにちは!

学習塾シンクスで作文を教えている菅野恭子です。

 

夏休み。

人権作文や、人権についての弁論大会の原稿準備などの宿題が出ている子も多いようです。

人権?

人権という言葉に戸惑い、何を書いたらよいのかすっかり困ってしまう子も多いようですね。

というわけで、今日は、人権作文について、お話ししようかと思います。

人権ってなに?

そもそも人権ってなんでしょうか?

中3の子は、公民で習いますよね。

すべての人間には、基本的人権が尊重されています。それは、憲法によって明確に護られています。

憲法14条はとくに有名で、

すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分または門地により、政治的、経済的又は社会的関係において差別されない。

と規定されています。

こう書かれると、ちょっと取っつきにくいですね。

すべての人間が、それぞれの幸せを追求する権利、人間が人間らしく生きる権利で生まれながら誰もが持っているものです。

誰もが幸せになるために生まれてきています。その、目的を追求する権利と言ったらよいでしょうか。

人権というと難しいように聞こえるかもしれませんが、自分の命を大切に、日々幸せに生きる権利なのです。

少しは身近に感じることができたでしょうか?

人権って?画像

こんな状態は幸せかな?

たとえば、中学生のあなたは、学校に行きたくありません。

それは、クラスのボス女子になにかと嫌がらせを受けるからです。

教科書を隠されたり、根も葉もないうわさを流されたり、教室は針のむしろ……。

 

どうでしょう、こんな毎日。

幸せでしょうか?

 

答えは簡単。幸せじゃありません。

この状態は、著しく人権を侵害されているわけです。

 

人権なんて、子どもには関係ないと思いましたか?

身近なところにあるいじめ。

軽い気持ちで加担してしまった経験のある子も、また反対に、いじめを受けた経験がある子もかなり多いと思います。

いじめも、人権作文のテーマのひとつです。

ほかにはこんなテーマも

いじめの他にも、身近なところにもテーマがあります。

女性、高齢者、職業など。

中学生でしたら、女性の人権あたりがわかりやすいでしょうか。

女の子なんだから……という理由でやりたいことを制限された経験がある子もいるかもしれません。

ひと昔前に比べたら、女子に対する制限もずいぶん減ってきたとは思いますが。

どうしてもイメージがわかない場合は

それでもピンとこない場合もあるでしょう。

そんなときは、つぎの3つを基準にしてみてください。

  • 安心
  • 自信
  • 自由

この3つが奪われた状態が、人権が侵された状態です。

例をあげると、家庭で虐待されている子は、家にいるあいだこの3点が奪われた状態ですね。こんな場合も人権が侵されているといえます。

いままでの体験をさかのぼってみよう

人権について、なにをテーマに書こうかは、自分の体験によるところが大きいです。

体験していないことや身近な人からも聞いたことがないような話題では、どうしてもイメージがわきません。

ですから、書く前には、体験をもとにじっくりと考えてみる必要がありますね。

今まで経験してきたことをさかのぼってみることをお勧めします。

テーマが決まったら構成を練ろう

書きたいこと、主張したいことが決まったら、構成を練ってみましょう。

まず、書き方の流れを説明します。

  1. 状況説明
  2. 生き方の主題
  3. 方法その1
  4. 方法その2
  5. 反対意見への理解→再度生き方の主題

状況説明

まずは、これから述べるテーマについての導入部分として、現状を説明しましょう。
たとえばこのような感じです。

「私の学校は、表面上は平和だ。たぶん周りからは、よい学校だと思われているだろう。でも、それはあくまで表面上のこと。一歩中に入ると、陰湿ないじめが日々行われている。本当のところは、きっと、先生も知らない。親も知らない。当事者である私たちしか知らない世界だ。とくに、女子のいじめはかなり根深い問題があると思う。」

学校に提出したら問題ありでしょうかね?(笑)

でも、先生にウケがよいものを書く必要はさらさらないと私は思います。

いい子ちゃん的な作文を書くことを暗に強制する学校なら、その学校の体質そのものが人権を侵していると書きたいくらいです!

まあ、余計な話はこのあたりにして、そうです、状況説明とはこのように、テーマとして書こうとしている話題について、前フリとして用意するのです。

唐突に話を切り出されるよりも、心構えをしてから話を聴く方がスムーズに理解できますものね。

そのための状況説明だと考えてください。

生き方の主題

状況説明ができたら、つぎは、主題を明確にします。

生き方の主題としていますが、これは、「〇〇〇〇生き方をしたい」ということです。

「私は、いじめに迎合しない強い心を持った生き方をしたい。」

これが生き方の主題です。

かっこよくないですか⁉

生き方ですから、大きな視点で考えてみてください。

悩む中学生画像

方法その1 その2

生き方の主題で提示したカッコいい生き方、この生き方をするための方法を考えるのが次のミッションです。

その方法のひとつめとしては、流されない強い心を持つことだ。以前の私は、いじめに気付いたときに、次なるターゲットにされることが怖くて、反論できなかった。自分では中立の立場にいたつもりだったが、実はそうではなかった。無言でいることは、加担することと一緒なのだ。仮にクラス中に無視されたところで、私は私と思える強い心があれば、なにも恐れることはないだろう。

ふたつめの方法としては、学校だけがすべてにならないよう自分の居場所を複数持つことだ。中学生のいじめがなくならないのは、学校がすべてになってしまうからだと思う。母がよく言うのだが、大人になるとひとつの場所に縛られることがなくなってくるから、自由になるし、他の人も自分のことに一生懸命になるから人のことなんてどうでもよくなるのだそうだ。ひとりでいても、別にだれも笑わない。反対に母の持論は「つるむ女はモテない」だ。私もいろいろなところに自分が心地よくいられる場所を作っていきたいと思う。自分ひとりでも、いつも寛いでいられる人でありたい。

こんなふうに、方法と、それに関連した自分の体験や、家族など身近な人から聞いた話などを添えて、説得力を出しましょう。

いよいよまとめの段落

最後のまとめの段落は、つぎのような流れになります。

反対意見への理解→是非の主題

先日、こちらの記事でも書きましたので、参考にしてみてください。

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反対意見への理解をなぜ入れるのでしょうか。

目の前に反対の立場に立つ人がいると想像してみてください。

その人たちに対し、真向から反対を唱えたら、当然険悪なムードになりますよね。

相いれない意見であっても、険悪ムードを避けるコツがあるんです。

それは、反対の意見を認め寄り添うこと。

「そうだね、あなたの言い分もわかるよ」

と、理解を示してあげることなのです。

これを、「反対意見への理解」といいます。

いじめはなくならないよ。いじめがあるのは仕方ないよ。

そういう人もいます。その人たちに、

「うんうんそうだね、たしかにそういう一面もあるよね。」

と理解を示してみるのですね。

そのあとで、もう一度、自分の生き方の主題を繰り返します。

反対意見への理解と生き方の主題のあいだは、スムーズにつながるように適宜言葉を補ってみましょう。

 

このようなイメージです。

いじめはなくならないという人も多い。確かにそのとおりかもしれない。しかし、いじめにあっている人も、また、いじめている側の人も、不幸なのだ。いじめている側は、つぎは自分かもしれないと日々恐れているのだから。だからこそ、私は、いじめには幸せはないと思う。自分の人権を大切にするのと同様に、友だちの人権も、大切にしたい。みながそう考えることができたらどんなによいだろうと思う。小さな抵抗かもしれない。でも、私は、いじめに迎合しない強い心を持った生き方をしたい。

参考例

私の学校は、表面上は平和だ。たぶん周りからは、よい学校だと思われているだろう。でも、それはあくまで表面上のこと。一歩中に入ると、陰湿ないじめが日々行われている。本当のところは、きっと、先生も知らない。親も知らない。当事者である私たちしか知らない世界だ。とくに、女子のいじめはかなり根深い問題があると思う。

そんな毎日を暮らしている私たち中学生の人権は、あってないようなものだ。だから、私は、いじめに迎合しない強い心を持った生き方をしたい。

その方法のひとつめとしては、流されない強い心を持つことだ。以前の私は、いじめに気付いたときに、次なるターゲットにされることが怖くて、反論できなかった。自分では中立の立場にいたつもりだったが、実はそうではなかった。無言でいることは、加担することと一緒なのだ。仮にクラス中に無視されたところで、私は私と思える強い心があれば、なにも恐れることはないだろう。

ふたつめの方法としては、学校だけがすべてにならないよう自分の居場所を複数持つことだ。中学生のいじめがなくならないのは、学校がすべてになってしまうからだと思う。母がよく言うのだが、大人になるとひとつの場所に縛られることがなくなってくるから、自由になるし、他の人も自分のことに一生懸命になるから人のことなんてどうでもよくなるのだそうだ。ひとりでいても、別にだれも笑わない。反対に母の持論は「つるむ女はモテない」だ。私もいろいろなところに自分が心地よくいられる場所を作っていきたいと思う。自分ひとりでも、いつも寛いでいられる人でありたい。

いじめはなくならないという人も多い。確かにそのとおりかもしれない。しかし、いじめにあっている人も、また、いじめている側の人も、不幸なのだ。いじめている側は、つぎは自分かもしれないと日々恐れているのだから。だからこそ、私は、いじめには幸せはないと思う。自分の人権を大切にするのと同様に、友だちの人権も、大切にしたい。みながそう考えることができたらどんなによいだろうと思う。小さな抵抗かもしれない。でも、私は、いじめに迎合しない強い心を持った生き方をしたい。

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是非の主題の書き方でも

 

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こちらでお伝えした意見文の書き方を使う方法もあります。

是非の主題といって、よいか悪いかの二択で主張を展開していく方法です。

  1. 状況説明
  2. 是非の主題(いじめはよいかわるいか)
  3. 理由その1
  4. 理由その2
  5. 反対意見への理解→是非の主題

このような流れで書いていきます。

選んだテーマと主張の中身によっては、この書き方がぴったりの場合もあります。

まずはテーマを決めて、いずれかの書き方で構成を考えてみてくださいね。

 

 

 

 

 

ABOUT ME
菅野恭子
筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒。 作文指導に定評のある言葉の森にて指導に携わる。 現在、言葉の森の教材・指導法にてシンクス東品川教室・シンクス上永谷教室・シンクス阪東橋教室で作文教室開講中。 2000年2001年2002年生まれの三兄弟の母。