指導のひとこま

こどもの表現力を伸ばすために大切なポイント

みなさん、こんにちは!

作文講師の菅野恭子です。学習塾シンクスで作文クラスを担当しています。

今日はシンクス東品川教室作文クラスの日でした。

小4の今週の課題は、「私の父」「私の母」。

小4の生徒さん6人が、それぞれ、「私の父」「私の母」で書いてくれました。

 

毎年、なかなかユニークな作文がそろうこの課題。

今年の4年生が書いてくれた作文も傑作ぞろいです。

この課題のときに必ずあがる声は、

「書きたいことあるけど、書いたら絶対叱られる!」

というもの。

お父さん、お母さんへの不満を書きたいけれど……読まれたらまずい、絶対書けない

となるわけです。

どうでしょう? 心当たりのある親御さんもいらっしゃるのでは?(笑)

小学生の作文課題は、どうしても生活作文がメインになってしまいます。

必然的に、おうちの中での極めてプライベートな出来事について書くことになります。

こんなこと書いたらいけません! と制限がかかる子も、やはりいます。

そうなると、書ける力がある子も、のびのびと自由に表現することができず、その子らしくない作文になってしまうのです。

この課題のときは、特に、子どもの表現力を伸ばすために大切なものはなにか、考えてしまいます。

ここで、ひとりの生徒さんの作文をご紹介したいと思います。

傑作ですよ。

「なにやってんの!!!」

ぼくがだいじな国語のテストでひらがなをまちがえて母におこられた。

ぼくはこういう時いつもむ言でいる。なぜならへんなもんくとか言うとさらにおこられてしまうからだ。

(「チッ」)

ぼくは母におこられるとすぐいらつくのだ。

(「バカやろうめ」)

だけどいつもはやさしい。6/1だって家でてまきずしを食べさせてくれるからだ。

母がおこるとすぐぼくはごめんなさいという。だけど母は、

「ごめんなさいはあいさつをいっしょだ!」

といってあまりゆるしてくれません。

しかもたまにぼくが、

(「バカ」)

とか言ってるのがバレてたたかれます。

お母さんに読まれることを承知で書いたこの作文。

おもしろおかしく書いていますが、私は、この生徒さんがお母さんの愛情を信じて疑っていないと感じます。

「大丈夫だよ、お母さん、怒らないよ」

そう声をかけますが、子どもにとってお母さんの存在は絶対であることを私も理解しています。お母さんに嫌われたら……そう思うと心の拠り所がなくなってしまうような恐ろしさがあるのでしょう。

この生徒さんのように、のびのび書ける場合は、その心配がないと言ってもよいと思います。

そしてもうひとつ参考例を挙げてみます。

三人きょうだいのいちばん上の子。

きょうだいの中でいちばん上の方は納得されると思いますが、お母さんの怒りの矛先が真っ先にやってくるわけです。

「おねえちゃんだからしっかりして」

という書き出しのお母さんのひとこと。

「おねえちゃんだから」

に対する不満が湧き出ていますよね。

その子も、怒るお母さんの姿を、

「やっぱりおこるとおにばばだな」

と表現しています。

この子も、

「お母さん、いつも作文読んでるんだよね」

と言いつつ、しっかり悪口を書いています(笑)。

このように、何を書いても大丈夫だという安心感があると、のびのび表現することができます。あれは書いてOK、これは書いたらまずい……という制限があると、伝えることが特にない、あたりさわりのない内容になってしまいます。

日頃から、なにを書いてもOKというスタンスで見守るのが、子どもの表現力を伸ばすいちばんのポイントではないでしょうか。

 

 

 

ABOUT ME
菅野恭子
筑波大学第二学群日本語・日本文化学類卒。 作文指導に定評のある言葉の森にて指導に携わる。 現在、言葉の森の教材・指導法にてシンクス東品川教室・シンクス上永谷教室・シンクス阪東橋教室で作文教室開講中。 2000年2001年2002年生まれの三兄弟の母。